SDGs世界レポート(18)プラ包装は実は環境に優しい?スウェーデンの食品ロス削減研究 論文で発表

スウェーデンのヘレンウィリアムズ博士(左)と筆者(スウェーデン大使館関係者撮影)

スウェーデン・カールスタッド大学サービス研究センターのヘレン・ウィリアムズ博士の研究チームが、プラスチック包装を排除してゼロにするより、食品ロスを減らし、気候変動の影響を最小化するのによい方法があると、論文で発表した。

2020年4月、学会誌にアクセプト(受理)され、4月22日にインターネット上に掲載された。

ヘレン・ウィリアムズ博士とは、来日した際、食品ロス削減と包装技術の関係について2時間ほどお話ししたことがあった。技術士で包装管理士の有田俊雄さん(有田技術士事務所代表)にご紹介頂き、TOKYO PACK(東京国際包装展)開催時にお会いした。

有田俊雄さん(左)ヘレン・ウィリアムズ博士(真ん中)と筆者(スウェーデン大使館関係者撮影)
有田俊雄さん(左)ヘレン・ウィリアムズ博士(真ん中)と筆者(スウェーデン大使館関係者撮影)

適切な包装を使うことで食品ロス削減につながる

ヘレンさんの今回の研究は、プラスチックを排除し、全く包装(パッケージング)を使わないより、小さく適切なサイズの包装(パッケージング)を使う方が、家庭内の食品ロスの削減に貢献できる、という概要である。

日本では食品ロスを含めた食品廃棄物は、焼却処分されることが多い。海外では、食品廃棄物は埋立地に送られ、二酸化炭素の20~25倍の温室効果を持つメタンガスの発生源になっている。そこで、食品包装を見直すことで食品ロスを減らすことができ、ひいてはメタンガスの発生を抑え、環境への負荷を減らすことができると期待される。

研究の対象としたのは、スウェーデンのストックホルムとカールスタッドの37世帯。対象となった家庭でアンケートや食品ロスダイアリー(Food Waste Diary)を行った。

食品群ごとに、包装の有無が食品ロスに及ぼす影響が異なる。下の棒グラフは、食品群ごとの食品ロスの量と、包装との関連性を示したものである。青で示したものは、包装がないことにより発生する食品ロス量を示している。これを見ると、果物と野菜(グラフの左から2番目)が、包装がないことによる食品ロス量が最も大きくなっている。

この記事は有料です。
食品ロス問題ジャーナリスト・井出留美のSDGs世界最新レポートのバックナンバーをお申し込みください。

バックナンバーの購入

商品名

食品ロス問題ジャーナリスト・井出留美のSDGs世界最新レポートのバックナンバー2020年5月サンプル記事

井出留美

価格

900(記事5本)

2020年5月号の有料記事一覧

すべて見る

気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

注意事項
  • 購入後も記事の提供を中止させていただく場合があります。

    注意事項」を必ずお読みいただき同意のうえ、ご購入ください。

  • 購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください。

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で食料廃棄に憤りを覚え、誕生日を冠した(株)office3.11設立。日本初のフードバンクの広報を委託され、PRアワードグランプリソーシャルコミュニケーション部門最優秀賞へと導いた。『食品ロスをなくしたら1か月5,000円の得』『賞味期限のウソ』。食品ロス問題を全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして2018年、第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門受賞。Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。

Yahoo! JAPAN 特設ページ