あなたの住む街はランキングに入ってる?環境省が最新(H29年)ごみ排出量発表、八王子市の優れた取組み

(ペイレスイメージズ/アフロ)

2019年3月26日、環境省が、最新(平成29年度:2017年度)のごみ(一般廃棄物)排出の調査結果を発表した。毎年、ごみ排出量の削減(リデュース)に取り組む自治体ランキングも発表される。最新の結果は、果たしてどうなっただろうか。

自治体ごとの、いわば「ごみ少ないランキング」は、人口区分3種類ごとにまとめられる。人口50万人以上、10万~50万人未満、10万人未満の3区分である。

これは、一年間に発生した家庭ごみと事業系ごみを合算し、人口と365日で割ることで、一人一日あたり何グラムのごみを排出しているかを調べたデータである。

人口50万人以上の部では東京都八王子市が1位

人口50万人以上の区分では、東京都八王子市が1位となった。八王子市は、平成28年度に比べて22.2グラムもの減少を実現した。自治体の廃棄物の担当者なら身にしみておられると思うが、これだけの量を減らすのは、大変な努力だったと思う。一人一日あたりのごみ排出量は、人口が増えれば分母が増えるので値が少なくなるわけだが、八王子市の人口増減を見ると、平成28年から29年にかけては減少に転じている。

毎年、愛媛県松山市と八王子市はデッドヒートを繰り返しており、平成28年度は松山市が1位だった。松山市も平成28年度より7.1グラム減らした。

平成29年度 リデュースの取り組み上位10自治体(人口50万人以上)(環境省)
平成29年度 リデュースの取り組み上位10自治体(人口50万人以上)(環境省)

平成27年度には1位・2位とも800グラム台だったが、平成28年・29年と、1位・2位は700グラム台に突入している。

筆者が平成29年度(2017年度)から廃棄物対策審議会委員を務めている埼玉県川口市が、平成28年度から16.7gも減らし、5位(平成28年度)から4位に上昇した。後述するが、委員としての活動と並行し、筆者はこの年(平成29年)の6月から、家庭用の生ごみ減量乾燥機を使い始めている。

ごみを少なくする先進自治体である京都市は5位。1位から10位までの幅は、わずか100グラム強に過ぎない。きゅうり1本分くらいだ。お米1合が150gなので、それよりも少ない。

人口10万以上50万未満の部では東京都小金井市が1位

人口10万以上50万未満の部では、平成28年度に引き続き、小金井市が1位となった。しかも9グラムも減らしている。

2位の静岡県掛川市、3位の東京都日野市も、順位は変わらないが、いずれも平成28年度よりグラムを減らしている。

平成29年度 リデュースの取り組み上位10自治体(人口10万人以上50万人未満)(環境省HP)
平成29年度 リデュースの取り組み上位10自治体(人口10万人以上50万人未満)(環境省HP)

東京都の西部が、総じて少ない。ごみ袋有料化もあるだろう。平成28年度より12.9グラムも減らした東京都日野市では、最も大きい容量のごみ袋は10枚800円。

東京都日野市は、公式サイトでもわかりやすく、どうすればもうひと工夫できるのか、ごみを減らすヒントが書かれている。

東京都の西部では、家ごとに回収していく戸別収集が、排出者の責任感を促したとも言える。

人口10万未満の部では徳島県神山町が1位

人口10万人未満の部では、平成28年度に引き続き、徳島県神山町が1位となった。グラム数は昨年より3グラム近く減らしている。そのほかの自治体も、順位は入れ替わってはいるが、昨年の10位以内の自治体が多い。

平成29年度 リデュースの取り組み上位10自治体(人口10万人未満)(環境省HP)
平成29年度 リデュースの取り組み上位10自治体(人口10万人未満)(環境省HP)

東京都八王子市の優れた取り組みを見習おう

筆者は2018年2月3日、東京都八王子市市制100年記念事業消費生活フェスティバルでの記念講演に呼んで頂いて、食品ロスの講演を行なった。

東京都八王子市市制100年記念事業消費生活フェスティバルでの講演告知(筆者撮影)
東京都八王子市市制100年記念事業消費生活フェスティバルでの講演告知(筆者撮影)

会場では、市民が自発的に行う取り組みが多数繰り広げられていた。

ごみを減らすためには、食べ物のごみ、つまり「生ごみ」を減らすことがカギとなる。重量の80%を水分が占める。水分を減らすこと、ひいては生ごみ自体を減らすことで、ごみの重量は大幅に削減する。

この日の八王子市の会場では、段ボール箱を使ってのコンポスト(堆肥)作りが紹介されていた。

八王子市が推進する段ボールコンポスト(筆者撮影)
八王子市が推進する段ボールコンポスト(筆者撮影)

八王子市の公式サイトではごみ削減やリサイクルに関する項目が多数紹介されており、食品ロスの削減に向けては、「八王子から変えていこう!食品ロス削減プロジェクト」を立ち上げ、ポスターでも告知している。

八王子市の食品ロス削減プロジェクト告知(筆者撮影)
八王子市の食品ロス削減プロジェクト告知(筆者撮影)

飲食店に対しては、八王子市完食応援店制度を作り、食べ残しのない飲食店を目指している。

また、家庭でできる取り組みとして、食品の買い方や調理方法を変えてみる取り組みを公式サイトで紹介したり、前述の2月のイベントでの紹介内容についても、当日会場に来られなかった方も知ることのできるよう、公式サイトで紹介している。

余っている食品を、捨てずに集めて必要なところへと役立てる「フードドライブ」や、フードバンク、こども食堂なども実施している。

八王子市でのフードドライブやこども食堂、フードバンク(筆者撮影)
八王子市でのフードドライブやこども食堂、フードバンク(筆者撮影)

八王子市は、段ボールを使ってのコンポスト(堆肥)を紹介されていた。筆者は、毎回、家庭用の卓上家庭ごみ減量乾燥機(パリパリキューブ)を使っていて、300回で、83kgも生ごみ重量が減っている

家庭用卓上生ごみ減量乾燥機(筆者撮影)
家庭用卓上生ごみ減量乾燥機(筆者撮影)

大きさは、たてよこA4サイズ、音は空気清浄機並みの静かさ。生ごみを入れてスイッチを押すだけ。生ごみも軽くなり、夏場の生ごみのにおいもコバエの悩みもなくなるので、とてもよい。

乾燥した生ごみ(筆者撮影)
乾燥した生ごみ(筆者撮影)

多くの自治体で家庭ごみ減量には助成制度があり、筆者も埼玉県川口市の助成制度を受け、半額(約1万円)で購入できた。A4サイズなので置き場所も取らない。川口市は平成28年と比較して、29年度に16.7gのごみ排出量を減らしているように、自治体のごみを減らし、ひいては、生ごみ処理のために税金を使う額を減らしてくれると思う。

一人だから意味がないのではない。一人でも始める、そのことが、ひいては社会をいい方向に変えていくのだ。

八王子市の、市と市民が一体となっての取り組みや本気度をわたしたちも見習って、平成30年度のデータが発表される2020年3月に向けて、さらに取り組みを続けていきたい。

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン(株)、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。311食料支援で廃棄に衝撃を受け誕生日を冠した(株)office3.11設立。「食品ロス削減推進法」成立に協力した。世界資源研究所(WRI)とオランダ政府が運営し食品ロス削減を目指すチャンピオン12.3メンバー。著書に『賞味期限のウソ』『食品ロスをなくしたら1か月5000円の得』。食品ロスを全国的に注目されるレベルまで引き上げたとして第二回食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

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気候変動が深刻化し、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されていますが、対応に悩む企業も多いです。著者は企業広報に14年半、NPO広報に3年従事の後、執筆や講演を通して食品ロス問題を全国に広め、数々の賞を受賞しました。SDGsが掲げる17目標のうち、貧困や飢餓、水・衛生、生産・消費など、多くの課題に関わる食品ロスの視点から、国内外の事例を紹介し、コスト削減や働き方改革も見据え、何から取り組むべきか考えます。

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