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「寿司60皿、クリスマスケーキ大量」女子大生444名が飲食・コンビニ・スーパーのバイトで捨てる食べ物

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
(写真:アフロ)

女子大学生563名に、リアルタイムアンケートシステム「respon(レスポン)」を使って、アンケート調査を行なった(大学側の意向により、調査日や大学名は公開しない)。

飲食関係のバイトをしているか(あるいは、したことがあるか)という質問に対しては、77%が「している(したことがある)」と回答した。

飲食関係のアルバイト経験の有無について(レスポンで作成したものから筆者引用)
飲食関係のアルバイト経験の有無について(レスポンで作成したものから筆者引用)

仕事で食べ物を捨てたことがあるかどうかを聞いたところ、78%に当たる444名が「ある」と回答した。

対象者のうち78%に当たる444名が「仕事で食べ物を捨てたことがある」と回答(レスポンを使ったグラフから筆者引用)
対象者のうち78%に当たる444名が「仕事で食べ物を捨てたことがある」と回答(レスポンを使ったグラフから筆者引用)

では、実際にどのような食べ物をどれくらい捨てているのか。生コメントのうち、抜粋して以下に挙げてみる。

捨てられるパン(フリー画像)
捨てられるパン(フリー画像)

コンビニ

「コンビニで働いていますが、いつもたくさんの廃棄が出ます。おにぎり20個とその他の食べ物など(後略)」

「コンビニでバイトをしています。廃棄をもらったのですが食べきれず、3度ほどやむを得ず捨てたことがあります」

「コンビニで廃棄の商品(弁当・おにぎり・デザート・パンなど)多い時はゴミ袋3枚分くらい」

「コンビニのおにぎりやサンドウィッチ。カゴ2つ分くらい」

ファストフード

「ハンバーガーを作って10分経ったら捨てている」

「作り間違えたハンバーガー、注文がキャンセルになったハンバーガー、芯の部分で使えないレタスやサイズの小さかったスライストマトの端っこ、作ったのに注文されなかったハンバーガーやポテトを山のように捨てていました。特にポテトは揚げて注文を待つシステムだったので、一日で75リットルのゴミ袋まるまる1個以上捨てていました」

寿司(本文とは関係なし。筆者撮影)
寿司(本文とは関係なし。筆者撮影)

寿司

「寿司屋で毎日60皿以上、廃棄します」

「お寿司をゴミ袋に沢山」

「お寿司を大きなバケツ2杯分は捨てていた」

「全く手をつけていない寿司をまるまる捨てた」

パン

「パンを毎日100〜150個くらい捨てています」

「パンをゴミ袋10袋くらい」

「パン食べ放題を行なっている店のため、少ない日で20個、多い日で80個くらいのパンを捨てています」

「パン。数えきれないくらい毎日、売れ残ったパンやバーガーを捨てました。毎日2袋は必ず捨ててます。デザートに使う果物や生クリームも」

「パン屋でアルバイトしているため、大きなゴミ袋2袋以上は捨てています」

カフェ・ケーキ・ドーナツ

「ドーナツ200個」

「ケーキ クリスマスに大量に」

「ケーキ5kgから10kg」

「ホールケーキ3〜5台くらい ゴミ袋2袋分のケーキ」

「カフェでアルバイトをしているのですが、ホットケーキのようなパンケーキが食べきれなくて4分の1残ってたり、ドリンクはコップの3分の1くらい残っているものを、毎回3つに1つくらいの頻度で捨てています」

「ケーキや焼き菓子を10kg弱ほど。コーヒーなどのドリンクをかなりの量、毎日捨てています」

ご飯(本文とは無関係。筆者撮影)
ご飯(本文とは無関係。筆者撮影)

コメ

「毎日20合ほどお米を炊くのですが、だいたい3分の1ぐらいは残ってしまい、捨ててしまいます」

「お米6kg捨てたことがあります」

「ご飯 約5合」

「1日当たり、コメを5kg、キャベツを5kg分」

その他

「うどん屋さんの天ぷら30個ほど(持ち帰りは禁止)」

「総菜(サラダ、揚げ物など)一日50,000円程度」

「ハンバーグ30枚」

「菓子を90リットルのゴミ袋1つ半」

「食べ放題でお客様が残した食べ物は全部捨てました」

「そば(蕎麦)を1日2〜3kgで。茹で過ぎや注文ミスによる」

「スーパーでゴミ袋いっぱいの賞味期限切れの総菜を捨てました」

「焼肉を大量に捨てる ケーキをワンホール捨てる」

「弁当、おにぎりなど、1日に45リットルのゴミ袋3つ分」

「お弁当やお総菜を1万円弱くらい捨てました」

「結婚式二次会でのオードブル 30人分くらいを全部捨てたこともあります」

「100リットルのゴミ袋いっぱいを何袋も、それも毎日」

「ホテルのビュッフェ料理を大量に捨てました」

「ステーキやハンバーグなど。注文したものなのに、ほとんど手をつけずに残すお客さんもいます」

「客の残したパスタやピザ。ビュッフェをやっているが、取って食べなかったり、ビュッフェを食べてパスタやピザを食べていない客もいる」

マルゲリータピザ(本文と無関係。筆者撮影)
マルゲリータピザ(本文と無関係。筆者撮影)

日にちが経過したものも使っている

どんどん捨てていく飲食の現場が察せられるが、案外、日にちを経過したものも、日をまたいで使っていることがわかる意見もあった。

「うどん屋で働いているのですが、2日間を過ぎたものは捨てています。さつまいもやかぼちゃ2個ずつ分など」

「飲食店のアルバイトで、開封して4日経った飲み物を捨てています」

罪悪感を忘れる人、嫌でバイトを辞める人

そこに関わる人の意識に正反対のものがあった。当初は罪悪感があったものの今では何も考えないという人と、「嫌で辞めた」という人だ。

「スーパーのお総菜。重さにすると10kgほどを一度に捨てました。最初は罪悪感がありましたが、今は何も考えず捨ててしまいます

「ほとんど手をつけていない食べ物で、まだ食べられる状態のものを、1日でものすごい量捨てていた。すごく嫌な気分だった。(バイトを)辞めた

「プリン4台とか、大量 コンビニでカゴ3個分  胸が痛い

「ケーキ屋で20個くらいのケーキを捨てたことがある。本当にもったいないと感じた

バイトも立派な「広報パーソン」だが単なる労働力として消費する現場

アルバイトやパートで働く人は、その店のことを、顧客よりもよく知っており、社会と繋がっている窓口だ。いわば、その組織の「広報」でもある。だが、こうして生の意見を見てみると、店のことを広報する人物ということなど、まったく考えていない・・・というより、考える余裕すらないのだろう。ただでさえ人材不足の現場では、人として尊重するというより、単なる労働力として消費しているだけのように見えるが、実際はどうなのだろう。

毎日捨てる一方で、フードバンクやこども食堂では食料が不足し援助を求める現場

こんなに毎日捨てている一方で、フードバンクやこども食堂では食料が不足し、支援を求めるという矛盾が生じている。

「廃棄はコスト」。店の経営を逼迫する。農林水産省では平成26年度から、食品産業ごとに、食料廃棄の削減目標を設定している。

農林水産省が平成26年に発表している食品廃棄の発生抑制(削減)目標(農林水産省発表資料より引用)
農林水産省が平成26年に発表している食品廃棄の発生抑制(削減)目標(農林水産省発表資料より引用)

現場を見てみると、国の削減目標が食品関連の大企業の経営陣にすら知られていないようで驚くのだが、経営者には、きちんと知ってほしい。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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