イギリス・ロンドンのスーパーのインスタントラーメン「出前一丁」と日本の「出前一丁」は何が違うのか?

英・ロンドンで販売される出前一丁(サステイナビジョン代表取締役 下田屋毅氏撮影)

海外へ渡航すると、必ず現地のスーパーマーケットやコンビニエンスストアを観に行く。卵一つとっても表示が違うし、置いてあるものが違うので面白い。今回、イギリス・ロンドン在住のサステイナビジョン代表取締役の下田屋毅(しもたや・たけし)さんに、イギリス・ロンドンのスーパーで売られている食品について、パッケージの表示を送って頂いた。下田屋さんは、雑誌「alterna(オルタナ)」で「欧州CSR最前線」という連載記事を執筆している。

今回、筆者が確認したかったのは、賞味期限表示だ。イギリスでは、賞味期間が18ヶ月以上あれば、「年」だけ表示すればいいとのこと。果たして実際はどうなのだろうか。

まず、瓶詰めのピクルス。ふたの上部に「APR 2020」の文字が読める。2020年4月が賞味期限ということで、日付を省略した年月表示だ。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている瓶詰めのピクルスの賞味期限表示(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている瓶詰めのピクルスの賞味期限表示(下田屋毅氏撮影)

次は、缶詰。ふたの上部に「NOV 2020」と印字がある。2020年11月が賞味期限で、これも日付を省略した年月表示。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている缶詰の賞味期限表示(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている缶詰の賞味期限表示(下田屋毅氏撮影)

粉末のカップスープはどうだろう。左は「FEB 2020」、右は「APR 2020」とあり、それぞれ「2020年2月」と「2020年4月」が賞味期限。やはり、日付のない年月表示だ。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている粉末のカップスープ(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている粉末のカップスープ(下田屋毅氏撮影)

そして、ミネストローネ。右手に「JAN 2020」とあり、2020年1月が賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているミネストローネ(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているミネストローネ(下田屋毅氏撮影)

次、ジャガイモの缶詰。「FEB 2021」とあり、2021年2月の賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているジャガイモの缶詰(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているジャガイモの缶詰(下田屋毅氏撮影)

粉末のマッシュポテト。右下に「OCT 2019」とあるので2019年10月が賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているマッシュポテトの粉末(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているマッシュポテトの粉末(下田屋毅氏撮影)

カップラーメン。底に青字で「MAR 2019」とあり、2019年3月の賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているカップラーメン(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているカップラーメン(下田屋毅氏撮影)

同じくカップラーメン。商品名に「KABUTO」とある。左は「JAN 2019」(2019年1月)、右は「MAY 2019」(2019年5月)。

イギリス・ロンドンで販売されているカップラーメン(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンで販売されているカップラーメン(下田屋毅氏撮影)

パスタ。右に「NOV 2019」とあり、2019年11月が賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているパスタ(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているパスタ(下田屋毅氏撮影)

同じく乾麺のペンネ。「MAY 2020」とあり、2020年5月の賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているペンネ(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているペンネ(下田屋毅氏撮影)

パスタソース。緑色のふたのところに「MAY 2019」とあり、2019年5月の賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているパスタソース(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されているパスタソース(下田屋毅氏撮影)

そして日本のインスタントラーメンの代表格、「出前一丁」。

イギリス・ロンドンで販売されているインスタントラーメン「出前一丁」(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンで販売されているインスタントラーメン「出前一丁」(下田屋毅氏撮影)

見えづらいが、右下に「02 2019」と印字してある。2019年2月の賞味期限。

イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている「出前一丁」の賞味期限表示(下田屋毅氏撮影)
イギリス・ロンドンのスーパーで販売されている「出前一丁」の賞味期限表示(下田屋毅氏撮影)

そして、こちらが、日本のスーパーで販売されている「出前一丁」。

日本のスーパーで販売されている「出前一丁」(筆者撮影)
日本のスーパーで販売されている「出前一丁」(筆者撮影)

賞味期限表示は、2018年12月3日だった。イギリスで販売されている「出前一丁」と違い、日にちが入っている。しかも、イギリスで販売されている賞味期限と比較すると、残された期間が短い。

日本のスーパーで販売されている「出前一丁」の賞味期限(筆者撮影)
日本のスーパーで販売されている「出前一丁」の賞味期限(筆者撮影)

ちなみに、このスーパーでは、「出前一丁」は袋麺コーナーの中でも売れ筋のようで、いわゆるアイライン(目線)の高さの近くに置かれていた。

日本でも賞味期限の「年月表示」化や賞味期間の延長が進んでいる

日本でも、2012年10月から農林水産省、流通経済研究所と食品業界の「ワーキングチーム」が4年間開催され、賞味期限そのものの見直し(賞味期間の延長)や、賞味期限表示の年月日表示から年月表示への移行がじわじわと進んできている。

特に清涼飲料水の業界では、2013年5月から、大手5社で、2リットルサイズのミネラルウォーターの年月日表示から日付を抜いた。次いで翌年2014年には500mlなど小さいサイズでもその動きが始まっている。が、5年目に入る2018年も、大手メーカーの商品でも、全てが変わってはいない。

年月表示(左)へと移行している日本のペットボトル飲料。右はまだ日付が入っているもの(筆者撮影)
年月表示(左)へと移行している日本のペットボトル飲料。右はまだ日付が入っているもの(筆者撮影)

日本のカップ麺や袋麺は、その包装材料を改良することで、賞味期限そのものを1~2ヶ月延ばした。日清食品と明星食品は、2014年4月1日から、カップ麺については従来より1ヶ月長い「8ヶ月」へ、袋麺については従来より2ヶ月長い「8ヶ月」へと延長している。日清食品は、2014年1月30日付で「インスタントラーメンの賞味期限延長について」発表しており、食品ロス削減を目的としていることを説明している。

消費期限(赤いライン)と賞味期限(黄色いライン)のイメージ(農林水産省HPより)
消費期限(赤いライン)と賞味期限(黄色いライン)のイメージ(農林水産省HPより)

食品ロス削減に向けて、賞味期限の年月日表示から年月表示への加速を望む

今回はインスタントラーメンを取り上げているが、ほかの食品でも、賞味期間が長いにもかかわらず、賞味期限の日付が入っているものは、日本ではまだまだ多い。1年間以上の賞味期間があるレトルト食品や乾麺、3年間の賞味期間の缶詰など。

法律上は、3ヶ月以上の賞味期間がある食品は、日付を省略できる。日本では、大手小売や食品メーカーがまず着手しているのは「賞味期限1年以上の商品の年月表示化」だ。これも喜ばしい動きだ。次の段階として、3ヶ月以上の賞味期間のものにもその動きが広がって欲しい。

一方、関係者は、在庫管理や危機管理のために、トレーサビリティ(追跡可能性)を担保しなければならない。そのためには、年月日表示の代わりに、数字や記号など、関係者だけがわかるものを入れておけばいい。

賞味期限は「美味しさの目安」。目安って、何?だいたいの目安、と言われるように、アバウトなもの。そこに厳密さを求める必要はないはずだ。

参考記事:

18ヶ月以上日持ちする食品は「年」表示のイギリス 3年以上日持ちする食品にも「年月日」表示する日本

スーパーマーケットで捨てる食べ物 社員291名に聞いた結果

農林水産省 消費期限と賞味期限