スーパー・コンビニのレジ袋、受け取りますか?辞退しますか?

レジ袋使用禁止法 米カリフォルニア州で成立(2014年)(写真:ロイター/アフロ)

10月5日は「レジ袋ゼロの日」、だそうだ。日本チェーンストア協会が2002年に制定した。東京都は2020年度までにレジ袋無償配布ゼロにするという“もったいない”意識の定着を目標に掲げている。近所のスーパーやコンビニをみると、レジ袋に対する取り組み方には差があるようだ。

近所では

筆者の住む近所のスーパーでは、レジ袋を辞退するとポイントがもらえ、ポイントがたまると500円分の商品券がもらえる仕組みになっている。近くにある別のスーパーは、ポイントではなく、有料制だ。レジ袋が欲しい場合はレジ横のカードを入れ、袋の代金を支払う仕組みになっている。低価格と新鮮さを謳っているスーパーでは、レジ袋は、削減どころか、一人の顧客に対し、何枚も配っている。コンビニでは、こちらが辞退を申し出ない限り、袋は自動的にもらえる場合が多い。百貨店の食料品売り場、すなわちデパ地下では、自動的にもらえるようになっている。

日本のチェーンストア協会は

昭和47年(1972年)5月に容器包装の簡素化・減量化に係る要綱を定めるなど、早い時期からレジ袋削減運動に取り組む日本チェーンストア協会は、平成7年(1995年)以降、“レジ袋削減キャンペーン”を複数回実施した。平成19年(2007年)3月には「マイバッグでお買い物 ~レジ袋一緒に減らしましょう!」キャンペーンを展開した。協会の公式サイトによると、平成29年(2017年)3月現在、会員企業平均のレジ袋辞退率は54%となっている。平成14年(2002年)9月には、わずか8%だったので、この15年間で、まさに右肩上がりの伸びを示している。

レジ袋辞退率(出典:日本チェーンストア協会公式サイト)
レジ袋辞退率(出典:日本チェーンストア協会公式サイト)

海外諸国は

海外の動きを見てみよう。

JSPS科研費15K07627「食品ロスの測定を通じた食料需給システムの効率性と環境負荷に関する国際比較」(代表 小林富雄)に参加した筆者(英国で撮影)
JSPS科研費15K07627「食品ロスの測定を通じた食料需給システムの効率性と環境負荷に関する国際比較」(代表 小林富雄)に参加した筆者(英国で撮影)

中国は、2008年6月1日から、レジ袋の生産・販売・使用を規制するという通達を出した。イタリアでは、2011年1月1日から、プラスティック製の袋が全国的に禁止になった。2014年には米カリフォルニア州でレジ袋使用禁止法が成立、スーパーマーケットのカルフールではレジ袋を撤廃した。フランスでは世界初の「プラスティック使い捨て容器・食器を禁止する法律が2020年1月1日から施行されるとAP通信が報道している。フランスは、2016年2月3日に、世界初の法律を成立させた。ある一定以上の面積を持つスーパーマーケットは、売れ残り食品廃棄を禁ずるというものである。廃棄せずに慈善団体へ寄付をするというものだ。私が青年海外協力隊として活動していたフィリピンでも、メトロマニラの一部のコンビニエンスストアで、プラスティック袋の代わりに紙の袋が使われているのを数年前に発見した。今年2月に食品ロスの視察で渡航した英国・ロンドンのスーパーマーケット「Whole Foods」では、店内に、環境配慮の原則である「3R」(スリーアール)のポスターが貼られていた。

国際機関は

平成27年(2015年)9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs:Sustainable Development Goals)」では、17の目標のうち、12番目に「持続可能な生産消費形態の確保」が挙げられている。要するに、適切に(適切な量)生産し、適切に消費する社会構造を作るというものである。

SDGs(出典:国連広報センター)
SDGs(出典:国連広報センター)

この中のリストに「2030年までに廃棄物の発生防止、削減、再生利用および再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する」という目標が掲げられており、関係者は「ターゲット12.5」と呼んでいる。食料廃棄に関しては「2030年までに半減させる」という目標が「ターゲット12.3」に挙げられており、食品ロス削減と過剰包装を含めた廃棄物削減の目標が、ターゲット12という、同じ項に立てられている。

レジ袋削減は「意味がない」とする論も

日本も海外諸国も国際機関も・・・となると、レジ袋削減は絶対的な目標のように思えるが、本当にそうなのだろうか。『エコと健康の情報は間違いがいっぱい!リサイクルは全然地球にやさしくない!』(廣済堂新書)や『偽善エコロジー 「環境生活」が地球を破壊する』(幻冬舎新書)などの著者である武田邦彦氏は、著書の中で、レジ袋は資源を繰り返し有効に使えるものとして、レジ袋削減活動に異を唱えている。

参考記事

レジ袋追放の材料学的意味(武田邦彦氏)

「レジ袋」と「余り物」(武田邦彦氏)

また、杉本裕明氏と服部美佐子氏の共著『ゴミ分別の異常な世界 リサイクル社会の幻想』(幻冬舎新書)でも、『ドイツ人はレジ袋を目の敵にする人はいない』とし、『レジ袋は頑丈で、ドイツ人はそれを買い、何回も使うのだ』と、家庭ごみを有料化する一方、レジ袋に目くじらはたてないドイツ人の姿勢に言及している。

「思考停止」にならない

筆者は包装分野の専門家ではないので、双方の意見に対して判断をくだす立場にはない。ただ、食品ロスの問題に取り組んでいると、レジ袋削減の動きは、必ず目に入ってくる。食品ロス削減に熱心に取り組む自治体の多くは、市民に対し、レジ袋削減やマイバッグ持参を啓発している。シンポジウムの基調講演で食品ロスの話をすると、その後のパネルディスカッションでは、レジ袋削減やごみ削減、食品ロス削減に取り組む組織や個人の方が登壇されることもある。

いち消費者としては、その場に応じて臨機応変に対応している。毎週、土日に買い出しに行くときにはマイバッグを持っていくが、忘れたときには買うかもらうかする。ただ、もらい過ぎても、家にたまってしまい、邪魔になるばかりで、結局、プラスティックごみとして捨ててしまう。邪魔になって捨てるくらいなら、もらうのはやめよう、と思い、要らないときは、レジの人に「このままでいいです」と言って辞退している。かといって、固辞するわけでもなく、刺身や総菜など、汁が出そうなものを購入したときには遠慮なくレジ袋を受け取っている。

いずれにせよ、思考停止になるのではなく、今日の「レジ袋ゼロの日」を機会に、自分の頭で考えてみたい。「自分の頭で考える」姿勢が、レジ袋問題だけでなく、他の、いろんなことにも、きっとつながってくると思う。