ガムになくてグミにあるものは?

(ペイレスイメージズ/アフロ)

本日6月1日はチューインガムの日。日本チューインガム協会によると、平安時代の頃から、元旦と6月1日は「歯固めの日」と言われ、硬いお餅を食べながら、みんなが健やかに過ごせるよう、長寿と健康を祈る習慣があったという。平成6年6月1日より、日本チューインガム協会が、噛むことの大切さを考えて欲しいと、「チューインガムの日」に制定した。

食品メーカー勤務時代、日本咀嚼学会が関わった書籍を読んだことがある。よく噛むことは、消化吸収を良くするだけでなく、食べ過ぎを防ぐことから肥満を予防し、唾液をよく分泌させることで歯の病気やその他の疾病も予防する。脳の発達にも繋がるので、認知症の予防にも繋がる。8020(はちまるにいまる)推進財団の公式サイトにも、噛むことによる効用がまとめられている。「よく嚼んで食べなさい」という言葉も、耳にタコができるほど聞かされた人もいるだろう。理想はひとくち30回噛むこと、だそうだ。

「よく嚼んで、いただきます」(画像:iStock)
「よく嚼んで、いただきます」(画像:iStock)

国内のガム市場は、縮小傾向が続いている。2017年3月28日付の日本経済新聞の記事では、最大手のロッテも、直近の5年でガムの売上高が約2割減少したと報じている。

一方、菓子の中で伸びている一つがグミだ。2017年3月22日付の産経WESTの記事によれば、市場規模はここ10年で2倍に膨れている。ここ数年は、対前年比で毎年10%以上伸びているという。ここ最近では、UHA味覚糖(大阪市)が発売した「コロロ」がヒットしている。最初に発売された「グレープ」は、まるで本物のブドウのような食感と見た目。他にもマスカットや三ヶ日みかん、メロン、いちごなど、複数のフレーバーが発売されている。

以前、グミが伸びる理由として、「食事で噛むことが少なくなった昨今、人間の”噛みたい欲求”は無くなることはなく、それが満たされるからグミが売れるのではないか」などと、新聞記者の方と話したことがある。だが、もしそうであれば、ガムも同様のはずだ。

ところで、ガムには賞味期限がない。水分量が少なく、劣化の速度が遅いことから、賞味期限表示はなくても良いとされている。ガムの中で賞味期限表示が必要なのは、特定保健用食品(トクホ)の商品である。たとえばロッテの「キシリトールオーラテクトガム」は、消費者庁のトクホの認可を得ており、このようなトクホのガムには賞味期限表示がされている。

一方、グミには賞味期限表示がある。カンロ株式会社の公式サイトには、よくあるご質問の中の「賞味期限が切れていました。食べても問題ありませんか?」の回答として、「賞味期限が過ぎると直ぐに食べられなくなると言うことはありません。しかし若干風味が落ちますので期限内にお召し上がりいただくことをおすすめします。また、開封された場合は、期限内であってもお早めにお召し上がり下さい」とある。グミキャンディについては「乾燥して硬くなる場合があります」とある。

一口に「食品」と言っても、賞味期限を必ず気にして買う食品もあれば、そうでない食品もある。ガムやお菓子などは気にしない部類かもしれない。ペットボトルの飲料なども、牛乳などと違って、いちいち期限を気にしないだろう。先月の記事で書いた通り、アイスクリームにも賞味期限表示はない。

画像

生きている限り、ほとんどの人は、食べて生活していく。100%自給自足できる人は少ないので、多くの人は、賞味期限表示が書いてある食品を買って食べていく。それなのに、賞味期限が、実は、かなり短めになっているということを知らない人がいる。場合によっては数ヶ月短くなっている。なのに、過ぎたら「速攻で捨てる」という人も結構多い。賞味期限のカラクリを知れば、すぐに捨てないので、余分な出費も少なくなる。賞味期限表示がなくても、買うものは買う。チューインガムの日にガムを楽しみながら、賞味期限というものについて、ちょっと頭の片隅で考えてみて欲しい。

参考:『賞味期限のウソ』(幻冬舎新書)