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男子バレー・堺ブレイザーズの千々木駿介が引退を発表。4月30日からの黒鷲旗が最後の雄姿に。

市川忍スポーツライター
写真提供BLAZERS SPORTS CLUB

堺ブレイザーズが4名の現役引退選手を発表

2022年3月23日、堺ブレイザーズから山﨑貴矢、小池勇輝、佐川翔、千々木駿介らの現役引退が発表された。4名は4月30日に開幕する第 70 回黒鷲旗全日本男女選抜バレーボール大会を最後に、チームを去ることとなる。

毎年、経験することだが、選手の引退は寂しいニュースだ。

千々木駿介は堺が最後に優勝した2012/13年、ルーキーながらチームのリーグ制覇に貢献し、新人賞も獲得した。昨年11月7日にはVリーグ通算230試合出場を達成しVリーグ特別表彰制度「Vリーグ栄誉賞」を受賞。過去にはキャプテンも歴任している。

「堺ブレイザーズにはこの年齢まで国内トップリーグの舞台でプレーをする機会を与えていただき感謝の念に堪えません。また、常に暖かく支えて頂いたサポーター・スポンサーの皆様も本当にありがとうございました。選手生活が残り少なくなりましたが、伝統あるブレイザーズのユニフォームに袖を通せる喜びを噛み締め、試合に出場した際には皆様に感謝の気持ちが伝わる様、自分らしく全力で精一杯プレーします。今後とも堺ブレイザーズへの変わらぬご支援・ご声援をよろしくお願いします」

千々木はチームのプレスリリースを通して感謝の思いを伝えた。

チームのために自分ができることは

中央大学から入団した千々木は、センター後衛からの早いバックアタックを武器に幾度も勝利に貢献してきた。攻守に渡り安定感があり、全日本に選出された経験も持つ。ただし、ここ2シーズンは若手の台頭やチーム事情もあって、レセプションフォーメーションに入らないポジション・オポジットに転向し、試合でも切り札的な途中出場が多かった。

今シーズン開幕前のインタビューで千々木はこう語っていた。

「昨シーズンもそうでしたが、今も、いかに途中からコートに入って流れを引き寄せるというのが僕の仕事だと思うので。まずは自分に何ができるのかを最優先に、とにかくチームの雰囲気を変えることに徹してプレーしようと思っています」

ずば抜けた身体能力を持ち、かつ科学的なトレーニングなども積極的に取り入れていた千々木。「もともと(オポジットに必要なスキルである)バックアタックは得意だった」と語るものの、チームのためにさまざまな思いを封印して臨んでいたに違いない。

信条は「昨日の自分よりどう成長するか」だと語る。

「いろいろなタイプのアスリートがいると思うんですが、チーム競技であるバレーボールにおいて、もし僕が〝アウトサイドヒッターをやりたいのでオポジットは嫌だ〟という態度でプレーしていたら、チームの雰囲気は悪くなるじゃないですか。今のチームのベストは何かと考えたときに、その選択肢が、僕がオポジットをやることなのだから、それがチームから与えられた自分の役割だと思います。全うするのがプレーヤーとしての責任だと思います」

「サイド以外でも、例えば他のポジションをやるよう指示されても、昨日の自分よりどうしたら成長できるかと考えて取り組みますよ」とキッパリ語っていた。そういう存在があってこそ、チームの結束は強くなる。

写真提供 BLAZERS SPORTSCLUB

今後はコーチとして後輩の指導に

昨シーズン、堺の主将を務めた髙野直哉は言う。

「AB戦をやっていると、どうしてもBチームの士気が落ちるときがあるんです。でもそこを千々木さんが引っ張ってくれていて、本当に感謝しています。千々木さんのようにチームのことを一番に考えてくれる人がいるから、チームが一丸となれるんだと思います」

常にチームのことを考えてきた千々木は、今後、コーチとして後輩の指導に当たる予定だ。

4月30日から始まる黒鷲旗が、千々木ら引退を決めた選手たちのプレーを見る最後のチャンスとなる。有観客で開催され、サポーターに見送られる幸せなフィナーレであることを願っている。

V.LEAGUE 堺ブレイザーズ今後の試合予定

3月26日~27日 堺市立大浜体育館 対ジェイテクトSTINGS

スポーツライター

現在、Number Webにて埼玉西武ライオンズを中心とした野球関連、バレーボールのコラムを執筆中。「Number」「埼玉西武ライオンズ公式ファンブック」などでも取材&執筆を手掛ける。2008年の男子バレーボールチーム16年ぶり五輪出場を追った「復活~全日本男子バレーボールチームの挑戦」(角川書店)がある。Yahoo!公式コメンテーター

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