アメリカのウォルト・ディズニー社 事業再編で「グッズ事業」と「パーク事業」を統合する意味を考察する。

ウォルト・ディズニー社(写真:ロイター/アフロ)

アメリカのウォルト・ディズニー社がキャラクター・グッズ事業とパーク事業を一つの事業に統合

 アメリカのウォルト・ディズニー社は、私の「デジタルで「顧客体験」の価値を高める ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートにリピーターが多い理由」でも、紹介したように「ディズニーパーク」で有名だ。事業としてはその他に、「キャラクター・グッズ」の事業、もちろん「映画」の事業、そしてディズニー・チャンネルのような「メディア」の事業がある。

 

 その「キャラクター・グッズ」の事業と、「パーク」の事業を、一つの事業に統合すると、アメリカのWall Street Journalが伝えている(この記事中のReorganizing Mouse's Houseを参照)。このことについて、少し考えてみる。

事業を統合した理由

 皆さんの中にも、日本のディズニー・リゾートに行かれたことがある人もいるだろう。その時のキャラクター・グッズを買った体験を、思い出して欲しい。キャラクター・グッズを、パークの体験を楽しむために、買ったことはないだろうか。もちろん、思い出やお土産にキャラクター・グッズを買うことがある。しかし、パークに入って最初のキャラクター・グッズ購入は、カチューシャや、身につける小物を買うことが多いのではないだろうか?

 おそらく、このようなことも考えて、ウォルト・ディズニー社は、「キャラクター・グッズ」の事業と、「パーク」の事業を一つの事業にしたのではないだろうか。

モノ消費から、体験が重要な時代に

 実は、このような事例は、日本でもある。例えば、「ハウス食品グループ本社」の「カレーハウスCoCo壱番屋」の買収だ。(参考:カレーのココイチ、創業家の鮮やかな引き際)。昨今の消費活動は、「モノの保有」から「体験」に移り始めていると言われる。カレーでも、同じことが言える。消費者は、カレーを買いたいのではなく、カレーを食べたいのである。今までは、カレーといえば、家で作るものだったかもしれないが、家で食べても、外で食べても美味しいのであれば、良いのである。

 このようなことを考えると、「モノ」から「体験」で、確かにウォルト・ディズニーはそれを実践してきた。映画をみる。好きなキャラクラーができて、パーク会いに行く。思い出に、キャラクター・グッズを買う。そして、またパークに行く。「モノ」と「体験」が実にスムーズに繋がっているのである。

「モノ」と「体験」をつなぐビジネスはたくさんあるだろう

 「モノ」と「体験」を上手につなぐビジネスは、色々あるだろう。食品では、有名なお店のラーメンが、カップラーメンになるのも、「モノ」と「体験」とつないでいる。自動車産業でも、「レンタカー」を借りてから「購入する」というつながりを考えて、事業を行なっている。スターバックスが、お店で「コーヒー豆」を売っているのも「モノ」と「体験」を繋げているのだろう。

 日本の多くのメーカーは、「モノ」にこだわってきた。しかし、これからは「モノ」の先の「体験」まで設計できなければ、ビジネスは広がらないだろう。もしかしたら、「洗剤メーカー」が「クリーニングの店」を経営するようなこともあるかもしれない。

 

 このウォルト・ディズニー社の事業部門の再編は、もちろんユーザーとしてはワクワクする内容であるが、それ以上にビジネスのヒントもある。