閉園が相次ぐ日本の遊園地、本場のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートはなぜ好調なのか

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(筆写撮影)

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、日本のディズニー・リゾートと規模が違う

 アメリカ、フロリダ州オランド近郊のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートをご存知だろうか。1971年にオープンしてから、いまも進化と拡大をしているテーマ・パークだ。このウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートには、観光やエンターテインメント・ビジネスのヒントがたくさんある。

 このパークは、日本のディズニー・リゾートのスケールとは異なり、とても広い。実に東京の山手線の内部の2倍の面積だ。パークも複数あり、マジック・キングダム (Magic Kingdom) 、エプコット (Epcot)、ディズニー・ハリウッド・スタジオ (Disney's Hollywood Studios)、ディズニー・アニマル・キングダム (Disney's Animal Kingdom)の4種類。パーク以外にも、ディズニーウォーターパークやスポーツ施設まで、用意されており、子供から大人まで楽しめる。

リゾート内の移動手段は、モノレール、バス、さらにはボートや船まである(筆者撮影)
リゾート内の移動手段は、モノレール、バス、さらにはボートや船まである(筆者撮影)

滞在型観光施設

 日本のディズニー・リゾートは、東京近郊にあるということもあり、日帰りで訪問することが多いだろう。アメリカのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、この広さなので、滞在者も多い。もちろん、それだけホテルも多く存在している。滞在客が多いので、それぞれのパークの営業時間も長く、時には深夜00:00まで開いている。

 

 このような滞在が可能なレジャー施設には、テーマ・パーク訪問以外の用途も生まれる。例えば、実は私がフロリダに滞在しているメインの目的は、このテーマ・パーク訪問ではない。アメリカン・フットボールのオール・スター・ゲームが、このリゾートの近くで開催されるため、滞在しているのだ。ホテルが充実しているため、NFLの公式の観戦ツアーのホテルが、このリゾートにあるのだ。当然試合観戦の前後は、テーマ・パークに入場する。滞在型リゾートは、テーマ・パーク訪問以外の目的の旅行者も集められる。

リゾート内移動用のバス乗り場、広い(筆者撮影)
リゾート内移動用のバス乗り場、広い(筆者撮影)

 

 また、滞在型ということもあり、家族旅行者も多い。日本の場合は、交通の便利さや、都心からの近さもあり、子供だけで、行くことも多いだろう。しかし、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、オランドの空港から、車で30分ほど離れていることもあり、子供だけでの訪問は容易ではないだろう。時に、大きな街から離れていることも、このようなリゾートには一つの価値になるのだ。

常に進化している

 ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートも、日本のディズニー・リゾートと同様、アトラクションや構成を変え続けている。しかし、その変化の規模は、これだけ広大な面積を持っていると桁違いである。例えば、ディズニー・アニマル・キングダムは、このパークでは一番新しく、1998年に開園した。パークごと新設できるというのは、本当に大きな魅力であり、このことは、リピーター獲得にも繋がるのだ。

 このようなリゾート施設にとってリピーターの獲得は、ビジネスにとって実に重要である。というのも、「リゾートに行く」という行動は、全ての人が対象ではないからである。ある程度の休暇が取れる、このようなレジャーに興味があるなど、いくつかの条件が必要だからである。そのような、ある程度限られた顧客に対してのマーケティングは、闇雲に新客の獲得ではなく、リピーターの維持が重要なのだ。

遊園地と異なるビジネスがある

 日本では、2017年末に、スペースワールドが閉園になった。このような遊園地は、実はこのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートに多くのヒントを見つけられるのではないだろうか。

 まず、リピーターは確保できているだろうか。リピーターの確保には、実は2つの要素が必要である。一つは、今説明したように、パークや遊戯施設の魅力を維持するべく、毎年改良をすること。もう一つは、年齢を重ねても楽しめるようになっていること。この2点である。

 毎年の改良は、日本の遊園地でも、工夫されるようになってきた。以前のように遊戯施設の更新だけでなく、イベントや企画のようなコンテンツの変更ということも、行われるようになった。

 一方、実は年齢の問題は、多くの遊園地では抱えているかもしれない。小学生の頃は楽しい遊園地でも、大学生で行くと楽しくないということではいけないのだ。

 日本もこれからは、観光やMICEに関する事業が伸びるだろう。MICEとは、Meeting(会議・研修)、Incentive travel, tour(招待旅行)、Conference(国際会議・学術会議)またはConvention(集会)、Exhibition(展示会)を目的とした滞在である。これらの事業を考える時に、このウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートは、良い研究の対象になるのだ。