新しいパブリッシングツールたちは、アメブロに引導を渡す?

挑戦者はこっそりと別の市場をのぞいている。

オンラインパブリッシングサービスは、現在大きく分けて3つの領域があり、それぞれが発展しつつ、クロスオーバーしつつある。

まずは、企業がそれぞれ囲うデータセンターにあるサーバ(あえて彼らのデータセンターをクラウドとは呼ばない。グローバルサービスではないし、所詮ドメスティック、いやローカルなマーケットに最適化されたサービスだからだ。真にクラウドと呼べるのはAmazon、Googleだけ、あるいはMicrosoftを足した3つのサービスだけだ)にインストールされた個別のCMSがあり、そこにコンシューマーソフトウエアから進出したWordPressが浸食を行なっている。

さらにWordPressを擁するAutomattic社が運営するSaaS型のWordPress.comがあり、大きなシェアをもっているが、そこにWeeblyやWix、SquareSpaceなどの新興CMSが乗り込んできている。WordPress.comはその名の通りオンラインでWordPressが利用できるサービスだから、ブログベースのサービスといえよう。しかし、コンペティターとして名乗りを上げた挑戦者たちのサービスは、ブログベースではない。彼らは最初からオンラインで作成し、オンラインで更新することを前提に設計された新しいCMSだし、モバイルサイトを提供することに長けている。さらにいえば、ブログではないもののブログの特徴であるパーマリンクをもち、さらにFacebookやTwitterなどのソーシャルネットワークとの親和性を最初から視野に入れている。この市場は中小企業・プロシューマ向けのCMSだ。僕らが開発し、ベータローンチしたばかりのDino.vcもまたこの領域に属する。

そして最後にブログに代わる新しいパーソナルオウンドメディアの再興が目立ってきた。TwitterやFacebookなどのソーシャルネットワークのように最初からすべての人と並列にコンテンツをシェアするのではなく、自分発信の情報をパブリッシュするためのツールだ。

それは、個人メディアとしてはブログを置き換えるものであるが、代表ツールのひとつが、Mediumである。Mediumは本コラムでも何回か紹介したが(参考:Twitter創業者たちの次なる挑戦)、ブログにとても近く同時に遠い。そしてTwitterにもまた近くて遠い。それもそのはずで、MediumはTwitterとブログツールの走りであるBloggers.comの双方を開発したエヴァン・ウィルアムズのプロダクトだからだ。

そして、このオンラインパブリッシングサービスにおいても“テクノロジーが川下から川上に逆流”するのであれば、いまは100%個人向けのサービスであるMediumが、やがて中小企業市場にも使われはじめ、いつかはエンタープライズ市場においても選択肢のひとつに入るかもしれない。実際、明哲な人たちは、Mediumはまずニュースメディアなどの領域でWordPressをリプレスするかもしれないとみている。

日本においてもMediumのクローンといえるnote.muのようなサービスが出てきており、まずはアメブロの領域に浸食していく可能性がある。その後はMedium同様、中小企業向けCMSのひとつに数えられるようになるかもしれない。また、Dino.vcは中小企業向けCMSであるが、コンシューマ向けのパブリッシングサービスとしても使われるようになるかもしれない。すべてのサービスがクロスオーバーして進化する。そういう大きな変化が、全体を見ても細部を見ても起こりつつある。そういうおもしろい時代がきているのだ。

via Mdn Interactive