各地で梅雨入り 大雨前にハザードマップで危険区域の確認を

気象衛星画像 梅雨前線の雨雲がかかり、各地で梅雨入り(ウェザーマップ提供)

 きょう6月11日、気象庁から、九州北部、関東甲信、北陸、東北南部の梅雨入りが発表されました。東北南部に関しては、平年が6月12日ごろですから、ほぼ平年並みの梅雨入りとなります。東北地方の梅雨は、シトシト雨が中心で、西日本ほどの激しさはありません。ただ、梅雨末期には前線の活動が活発になり、過去には、新潟・福島豪雨(2011年)など、記録的な大雨になったこともあります。長期予報では、7月は前線や湿った空気の影響をやや受けやすい傾向も出ているため、今年も梅雨の末期は大雨に警戒が必要といえます。

”危険な場所”から全員避難

新たな警戒レベルに関するチラシ  「危険な場所から」の文言が付け加えられた(内閣府のチラシを筆者加工)
新たな警戒レベルに関するチラシ 「危険な場所から」の文言が付け加えられた(内閣府のチラシを筆者加工)

 去年、避難勧告等に関するガイドラインが改定され、とるべき行動を5段階で示した「警戒レベル」が導入されたことは記憶に新しいところですが、今年、一部の表現が改められました。レベル3の「高齢者等は避難」、レベル4の「全員避難」について、それぞれに「危険な場所から」という文言が付け加えられました。これは、もともと安全な場所にいる人もどこかへ避難しなければいけない、という誤解を与えかねないという理由からです。

 避難というのは、難を避けることが目的ですから、安全な場所にいる人は、その場に留まることが避難になります。わざわざ危険な場所を通って避難所などへ移動する必要はないわけです。全員避難の意味を正しく理解する必要があります。

 では、その「危険な場所」を知るには、どうしたらいいのか。

ハザードマップの確認を

仙台市が配布しているハザードマップ(筆者撮影)
仙台市が配布しているハザードマップ(筆者撮影)

 危険な場所を知るには、ハザードマップを確認することです。ハザードマップとは、被害の発生が予想される範囲や程度、避難場所などの防災情報を示した地図のことで、市町村ごとに作成されています。例えば仙台市では、全世帯にハザードマップを無料配布しています。土砂災害や浸水が想定される地域が地図上に示され、大変わかりやすいものになっています。

 こうしたハザードマップは、今はインターネットでも手軽に見られる時代です。例えば、国交省のハザードマップポータルサイト内にある「重ねるハザードマップ」(http://disaportal.gsi.go.jp/)。土砂災害、洪水、津波のリスクなどがある地域を、地図上に自由に重ねて表示でき、大変便利なものになっています。

 自分の住んでいる場所が、災害のリスクが高い地域なのかどうか。これは誰かが教えてくれるものではありません。自らハザードマップを確認し、情報を取りにいくことが大切です。

ハザードマップは絶対的なものなのか?

 では、ハザードマップで危険区域に指定された場所以外は、本当に何もリスクがないのかというと、そうとも言えません。

 去年10月の台風19号(令和元年東日本台風)で大きな被害を受けた宮城県丸森町の廻倉地区では、ハザードマップで危険区域に指定されていない場所で、大規模な土砂災害が起きました。ここは、明瞭な谷地形がないことから、土砂災害警戒区域に指定されていなかった場所です。

 国土交通省の調査によると、台風19号等で、人的被害・人家被害の発生した箇所の約4割は、土砂災害警戒区域に指定されていない箇所で土砂災害が発生していました。指定されていなかった理由は、1.そもそも基礎調査中で指定に至っていなかった、2.より詳細な地形データを活用する必要があった、3.現在の指定基準に該当しない、の主に3つです。このうち1については、先日、国土交通省から、基礎調査が完了したという発表がありましたが、指定についてはまだこれからです。

 ハザードマップは、災害から身を守る上で大変重要なものですが、万能ではないことも頭に入れておかなければなりません。