今年は9月21日が「中秋の名月」

 今年は9月21日(火)が「中秋の名月」です。中秋の名月(十五夜)とは、太陰太陽暦(旧暦)において、秋分を含む月の15日の夕方に出る月のことで、古くよりアジア各地で「お月見」をする慣習があります。日本における中秋の名月を愛でる行事は、平安時代に中国から伝わったと言われています。今年は台風一過の澄んだ夕空に、晴れている場所からは中秋の名月を愛でることが出来ます。いにしえの時代よりさまざまな想いを込めて、古今東西の人々が愛でてきたこの名月を、改めてじっくりと眺めてみませんか?

 月は毎日、その形を変えていきます。三日月、上弦の月、満月、下弦の月、そして新月(月が現れない晩)と、そのサイクルは約29.5日=約1か月です。旧暦では新月を含む日をその月のついたちとしています。一方、月齢は、新月=0で始まるので、呼び名と月齢がずれることがよくあります。満月も十五夜の晩とは限らないのですが、今年は珍しく満月と中秋の名月(十五夜)が一致しています。これは2013年9月以来8年ぶりで、まん丸お月さまを9月21日の中秋の名月の晩に愛でましょう。旧暦の十五夜のお月見の他、ほぼ一か月後の十三夜(今年は10月18日)を「後の月」と呼んで、葡萄の房のような形の月もお月見する風習が全国各地に残っています。

月齢14.2の月 (提供:国立天文台)
月齢14.2の月 (提供:国立天文台)

満ち欠けする月

 新月から次の新月に至る月の満ち欠けの様子は、暦として利用できることのみならず、夜空でもっとも分かり易い規則性のある変化として、人びとの興味を引き付けてきました。

 月の満ち欠けの周期は約29.5日。新月からの経過時間を日の単位で表した数値を「月齢」といいます。月齢は0 から29.5までの値をとります。月の満ち欠けを記載する際の基準となる面として黄道面を用います。天球上での太陽の通り道が黄道で、黄道は天の赤道と2か所で交差します。太陽が天の赤道を南から北に横切る点が春分点ですが、黄道上で春分点から一周360度と測る角度を「黄径」と呼びます。月と太陽の黄経の差が0度、90度、180度、270度となる時、それぞれ、新月(月齢0前後)、上弦(月齢7前後)、満月(月齢15前後)、下弦(月齢22前後)となります。

 今年の中秋の名月は満月と同じ日ですが、中秋の名月は必ずしも満月とは限りません。中秋の名月は旧暦の日付つまり新月からの日数で決まりますが、上記のように満月は、黄道面に投影した太陽、地球、月の相互の位置関係で決まるからです。さらに、月が地球を回る公転軌道は円ではなく楕円であり、新月から満月までにかかる日数が13.9日から15.6日と変化します。このため、旧暦の十五夜が必ず月齢14の月ではなく、今年のように十五夜と月齢15が同じ日になるケースが生じるのです。

金星・木星・土星も見頃

一番星を探そう

 秋の日はつるべ落とし。夏の喧騒が去った後の秋の夕暮れは、自然界が用意してくれた素敵な原風景です。西の空で夕焼けが美しく輝くとともに、次第に空が暗くなっていきます。日が沈んでから真っ暗になるまでの時間帯を薄明(トワイライト)と呼びます。忙しい日々の営みが終わったひと時、美しい薄明の空を楽しむとともに、キラリと光る一番星を探してみませんか。今秋は、宵の明星・金星が西の空にマイナス4等星という1等星の100倍もの明るさで輝いています。

木星、土星も見頃

 今秋、土星はやぎ座にいて、明るさが約0等級。1等星よりも少し明るいので見つけやすいことでしょう。木星は、同じくやぎ座にいて、土星に遅れて昇ってきますがマイナス3等級と太陽系最大の惑星らしい堂々たる輝きです。9月の夕暮れは西に金星、振り返ると東に木星が輝いて豪華で対照的な宵の空となっています。この秋は天体観望を楽しみましょう。

月を手掛かりに木星と土星を見つけよう。(提供:国立天文台)
月を手掛かりに木星と土星を見つけよう。(提供:国立天文台)

11月の満月は部分月食

 さらに今年は、11月19日に全国各地で部分月食が見られます。今年5月26日の皆既月食は天候に恵まれなかった所が多かったのですが、今度は全国で晴れますように。夕方の東の空での現象ですので、子どもたちも含めて家族みんなで楽しみましょう。

2021年11月19日は部分月食 (提供:国立天文台)
2021年11月19日は部分月食 (提供:国立天文台)

詳細は国立天文台「ほしぞら情報」をご覧ください。また、月の満ち欠けの仕組みの易しい解説もご利用下さい。