浪花のラッパーはアコーステッィクにラップする

四人トリオ、というアコースティック・ヒッピホップ・グループと出会った。

四人なのにトリオ?名前の由来はライブでのミストークから決まったそうだ。

名前がまだ決まってない活動初期のライブイベントで、

メンバーの1人が言い間違えたらしい。それをメンバーが気に入った。

四人のメンバーは、グループ結成までそれぞれに活動していた。

メンバーの中心であるMCのKayとベースのRyoは兄弟。

父親がミュージシャンという環境に生まれた。

さらにカホンの北斗もそう。

浪花エキスプレスという「上方」フュージョンバンドのベーシスト・清水興と

キーボードの中村建治が、それぞれKayとRyo、北斗の親父だ。

浪花エキスプレスは、1982年デビュー。86年に解散したが、

そのライブパフォーマンスで人気となった。

大阪人のおっさん世代には「自慢のバンド」と言っていいだろう。

2002年に活動を再開。現在は、NANIWA EXPと表記している。

兄弟の父・清水は四人トリオのアルバム・プロデューサーでもある。

ギター担当はKG。Ryoと友達でこのバンドに参加した。

元はヘビメタバンドでギターを弾いていたという。

そして昨年春、ライブイベントのために4人が集まった。

ヒップホップにはかなり前から興味があった。

1980年代半ばだったと記憶しているが、

日本にやってきたヒップホップ映画を観にいった。

ハマることはなかったが、いつも気になっていた。

ヒップホップは、時代とともに洗練されていき、

今や和製ラップ曲がヒットチャートにも踊る。

ダンスはいまや若い子達の定番のようになっている。

ナレーターとして今もラップには興味が強い。

ラッパーのようなことはできないし、真似ようとも思わないが、

自分が培ってきた「語りスキル」を活かしたいと思っている。

オリジナル作品に挑戦したいと思っている。

目の前で彼らの生演奏を聴いた。

アコースティックで奏でるリズムがかっこ良く、

Kayが奏でるラップは挑戦的でかつユーモアのあるものだった。

何故、アコースティックで?という質問に、兄のRyoは、

「ずっとエレキベースをやってきたけれど、アコースティックでやったら、

むちゃ気持ち良かった、てことでしょうか」

と答えてくれた。

他にアコースティックでヒッピホップをやっているバンドは知らないという。

「誤摩化しが効きにくいから難しいんちゃう?」とKay。

大阪の「ノリ」が、誰もやっていないことをやろうとした動機でも

あるのかもしれない。

生演奏を目の前で聴いた。聴きながら、

私は小さな声で、Kayのラップに、自分の語りを乗せてみた。

それは音符にはならないが、メロディといっていいのかもしれない、

それは「語り歌」といっていいのかもしれない、

そんな小さな手応えを感じた。