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朝日奈央の愛され力!目指すは“最強3番手”

長谷川まさ子フリーアナウンサー/芸能リポーター
インタビュー中も笑顔を絶やさない朝日奈央さん(撮影:長谷川まさ子)

 バラエティー番組を見ていて思った。そういえば朝日奈央さん、よく出ているな…。特に目立とうとしているわけでもないのに印象に残る。その秘訣を聞きたくて、インタビューをお願いした。当日、現場にはかつて所属していた「アイドリング!!!」のプロデューサーの姿も。朝日さんがいかにスタッフから愛されているか、そしてなぜ愛されているのかが分かった。

テレビで見ない日はないほどの活躍ですが、“私、キテるかも”と実感したのはいつ頃ですか?

 ありがとうございます。(バラエティー番組の)「ゴッドタン」をきっかけに知っていただいて、2年ほど前に、「にゃんこスター」さんの完コピをしたあたりぐらいから、いろんな番組に呼んでいただき、芸人さんにも少しずつ認知してもらえるようになりました。

 2015年に「アイドリング!!!」の活動が終わった後、事務所からは「とにかく印象づけることが大切だ」と言われて、テレビ局に自分で資料を持って売り込みにいったこともありました。それが今につながっていると思います。毎月パンパンにお仕事を入れてもらっているのは、本当にありがたいです。

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SNSでは、「恐ろしいほど鼻につかない」「うざくならない」など好意的なコメントが多いですね。

 本当ですか?言葉のチョイスがおもしろいですね(笑)。うれしいです。バラエティーに出始めの頃は、「もう出ないで」とか真逆な意見が多かったので。一番は、「踊る!さんま御殿!!」に初めて出演した時。事務所の人も「頑張れよ!」って感じで。ここで結果を出さなければ、もう呼ばれなくなるんだろうなっていう、バラエティーの登竜門的なイメージがありました。「とにかくきょうが最後の日だから」ぐらいの覚悟で、悔いがないようにとしゃべったんです。自分としては、爪あとは残せたかなと満足していたんですが、放送後に軽く炎上しました。人生初くらいの炎上でした。“ただのうるさい人”になってしまったんです。

 でも、私はそれに気がついていなくて、アイドリング!!!に携わっていたスタッフさんとか、(菊地)亜美ちゃんとか周りの人から連絡をもらって…。亜美ちゃんは心配して、「全く気にしなくていいよ」って言ってくれました。それから1年くらいは番組に呼ばれませんでした。今でもその放送は見ることができません。

それ以降は、コメントに気をつけるように?

 それまでは、トゲのある言い方をしたら目立てるんじゃないかみたいな無理をしていたところがあって。結果、仕事も全然増えなかったんです。もうそういうのをやめようと思ってからは、自分が本当に感じたことだったり、VTRを見て楽しんだり悲しんだりと、自分の気持ちを大切にしました。そうしたら、ありがたいことに、徐々に仕事が増えていった感じです。ただ、アイドリング!!!の時からオーバーリアクションが染みついていて、それがわざとらしく見えると言われることがあるので、そこは意識しています。なるべく素でいようとは思っています。

たくさんのタレントさんがいる中で視聴者の記憶に残るのはすごいことですよね。

 いやいやいや。私自身、ここまで番組に呼んでいただけるようになったのは、どうしてなのかなという気持ちはあります。分かりやすく言うと、フワちゃんって毎回おもしろいし、賢いし、絶対的に印象に残るじゃないですか。そういうすごい方と比べちゃうと、「なぜ私?」と考えちゃいます。

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「綺麗なのに色気がない」というコメントも見かけました(笑)。

 うわぁ~!「綺麗なのに」がうれしいです。アイドリング!!!はメンバーが20人ほどいたのですが、1人で活動となると、当たり前ですが私にしか目がいかなくなるじゃないですか。だから卒業後はダイエットもしました。アイドルの時にやれって感じですよね(笑)。それでちょっとはよくなったのかもしれませんけど。色気がないというのは、一生言われますね…。でも、今は逆に強みなんじゃないかなと思っています。

 アイドリング!!!といえば、気がついたらメンバーが思っていた以上に結婚していて。両親が若い時に結婚したので、私にもそういう気持ちはあったんですが、26歳になってしまって(笑)。できれば20代のうちにという、ざっくりとした願望はあります。ただ、今は仕事が楽しいのでそこまで結婚したいとは思ってないです。

プラス思考ということですが、エピソードはありますか?

 仕事がない時に、「1.5kgのカレーを食べられる」と嘘をついてオーディションを受けたことがあったんですけど、食べられるはずもなく、変な空気になって。結果、仕事ももらえず、事務所にも迷惑をかけてしまったんですが、この話は、仕事が増えた時にネタとして使えるかもと気持ちを切り替えました。

逆に、今まで一番落ち込んだことは?

 それはいっぱいあります。ただ、切り替えが早いんです。スタッフさんが求めていることに答えられなかった時は、かなり落ち込みます。私、“NGのないタレント”と言っているので、ものすごい身体を張ってくれるんじゃないかとハードルが上がっていて。だから一緒にお仕事をした時に、「こんなもんなんだ」って空気が伝わって、「あんまりガツガツしてないんだね」と言われた時は落ち込みます。

「バラエティーの女王」と呼ばれる日も近い?

 それ、誰が言ってるんですか(笑)。売れてる実感はまったくないですよ。街を歩いていても、マジで声をかけられなくて。マスクも取っちゃいたくなるくらい、誰も気がついてくれないです。もっと頑張らなきゃいけないなと思います。母にもよく言われるんです。一緒にいてもオーラがないし、周りから全く声をかけられないから、テレビに出ていることを忘れるって(苦笑)。でも、それでいいのかなと。売れっ子扱いされると、逆に戸惑うというか。“ヨイショ”されちゃう現場もあるんですけれど、「そんな人間じゃないのに」とか思っちゃいます。

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フジテレビの「アイドリング!!!」から誕生したアイドリング!!!ですが、30日に番組で一日限定再結成をしますね。

 そうなんです。フジテレビONE TWO NEXT「バカリズム特番」で再結成するんです。ただ、私もメンバーも詳細を聞いていなくて。とにかく集まって、楽しいことをするんだろうなっていうイメージはあるんですけど。私が番組でメンバーに呼びかけて、ほとんどのメンバーが「行くね」と言ってくれたものの、急きょ来ないパターンもあるじゃないですか。なので今、すごく不安です。

 でも、司会の升野(バカリズム)さんの負担が一番大きいはず。メンバーがどう成長しているか、何人来るかも分からないのに、どうやってまとめるんだろうって心配してます。

改めてアイドリング!!!はどんなグループでしたか?

 バラエティーの要素がたくさん詰まったグループだとは思いますし、私はアイドルっぽくないアイドリング!!!がすごく大好きで、だからこそ、メンバーになりたいと思いました。アイドリング!!!に入っていなかったら、バラエティータレントとしての今はなかったと思うので本当に感謝です。

朝日さんにとってアイドリング!!!とは?

 よく聞かれるんですけど…難しいですね。“私を作ってくれた場所”みたいな感じではあるのかな。アイドリング!!!に入っていなかったら、もうちょっとおとなしくて、清楚な女性になっていたかもしれない(笑)。14歳から入っていたので、8年間、家族よりもメンバーと升野さんに会っていたし。みんなに育ててもらったみたいな感じはありますね、やっぱり。

これから目指すものは?

 自分のスタンスはあまり変えずにいきたいと思いますが、SHELLYさんのように、器用な方に憧れます。バラエティーで笑いも取れて、盛り上げて、それでいて自分の意見はきちんと言えて真面目さもある。

 目標が“バラエティーの女王”だと、だいぶハードルが上がるというか。アイドリング!!!の時もそうだったんですけど、3番手くらいにいるのがちょうどよくて。私のことを応援してくれるファンの皆さんも、私のことは1番じゃなくて3番目に好きと言う人が多かったんです。最初は「はぁーー、1番目に応援しなさいよー」と思いましたが、実は3番目ってすごく居心地がいいというか。私ばっかりフィーチャーされると緊張するし。誰かメインがいて、そこにちょっとチャチャを入れる3番手ポジションで最強になりたいです。

女優業もありですか?

 女優?ない、ない、ないです(笑)。以前、(笑福亭)鶴瓶さんがわざわざうちのマネジャーさんに「映画やらせた方がいいて〜」って言ってくれたんですけど。実は舞台に何度か出演させてもらったことがあって、本当に演技の難しさを知っているので。ただ、CMには出たいと思っているので、短い尺の演技はできるようにはしたいです。

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■インタビュー後記

インタビューは「アイドリング!!!」の番組プロデューサーを務めた門澤清太さんの番組出演の後だったため、「朝日が嘘をつかないように見張ります!」と同席。そのことからも、朝日さんがいかに愛されているのかが分かります。せっかくなので、朝日さんがスタッフから愛される理由を聞いてみたところ、「人間から悪意というものを取り払ったのが朝日。人の悪口を一切言わないんです。人間が持っているちょっとどっか黒い部分ってあるじゃないですか。それが全くないので、スタッフに愛され、また一緒に仕事がしたくなるんだと思います」とのこと。そんな門澤さんの言葉に、マネジャーさんが大きくうなずいていたのが印象的でした。いい人のところにはいい人が集まる人間力。そしてそれが仕事に繋がっていく。そんな関係性に心が温かくなり、笑顔で帰路についた私でした。

■朝日奈央(あさひ・なお)

1994年4月21日生まれ、埼玉県出身。2007年にファッション誌「ラブベリー」でモデルデビュー。2008年から2015年まで、アイドルグループ「アイドリング!!!」15号として活動。卒業後は「ゴッドタン」(テレビ東京系)アシスタント、「沸騰ワード10」(日本テレビ系)ほか多数バラエティー番組に出演。10月からは初の冠番組「朝日奈央のキラめきスポーツ~キラスポ~」(毎日放送 http://www.spora.jp/event_group/kira-spo/)で番組進行と現場リポートに挑戦している。

フリーアナウンサー/芸能リポーター

群馬県生まれ。大学在学中にTBS緑山塾で学び、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」で7年間アシスタントを務める。ワイドショーリポーター歴はTBS「3時にあいましょう」から30年以上、皇室から事件、芸能まで全てのジャンルをリポートしてきた。現在は芸能を専門とし、フジテレビ「ワイドナショー」、日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」ほか、静岡・名古屋・大阪・福岡の番組で芸能情報を伝える。趣味は舞台鑑賞。

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