筑波大学教授,東京大学客員教授。博士(保健学)。専門は, 臨床心理学,犯罪心理学,精神保健学。法務省,国連薬物・犯罪事務所(UNODC)勤務を経て,現職。エビデンスに基づく依存症の臨床と理解,犯罪や社会問題の分析と治療がテーマです。疑似科学や根拠のない言説を排して,犯罪,依存症,社会問題などさまざまな社会的「事件」に対する科学的な理解を目指します。主な著書に「あなたもきっと依存症」(文春新書)「子どもを虐待から守る科学」(金剛出版)「痴漢外来:性犯罪と闘う科学」「サイコパスの真実」「入門 犯罪心理学」(いずれもちくま新書),「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」(金剛出版)。
記事一覧
- 強まる「コロナ疲れ」のなかで跋扈する陰謀論やデマ:われわれはどう対応すればよいのか
長引くコロナ禍のなかで、「コロナ疲れ」が指摘され、陰謀論やデマが跋扈するようになった。これにわれわれはどう対処すべきだろうか。
- 過激化する反ワクチン集団「神真都Q」を放置してはいけない理由
反ワクチンを掲げる「神真都Q」と名乗る一団が都内のクリニックに侵入した容疑で逮捕された。過激化する陰謀論者の蛮行を絶対に許してはならない。
- ロシア料理店への相次ぐ嫌がらせは「ヘイトクライム」 それを放置することが絶対に許されない理由
ロシアのウクライナ侵攻のあと、全国でロシア料理店などに対する嫌がらせが増加している。このようなヘイトクライムは、どんな小さなものであっても、決して見過ごしたり大目に見たりしてはならない。
- 医療従事者へ感謝を あの熱気はどこへ行ってしまったのか
第6波の入口に入った今、専門家や医療従事者が忙殺される日々が始まっている。一方、専門家や医療従事者への度を超したバッシングが起こっている。この看過できない問題について大阪大学・忽那賢志教授と議論した。
- 新型コロナウイルスの第6波、何をしたらいい? 医学と心理学からの視点
すでに第6波の入り口に入ったと言われている。第6波を見据えて、われわれは何をなすべきか。大阪大学忽那賢志先生に伺った。
- 医学と心理学の対話:この1年、われわれはコロナとどう闘ってきたのか
コロナに振り回された1年を大阪大学の忽那賢志先生と振り返りました。科学リテラシー、エビデンスの伝え方、医学と心理学の協働、メディアに望むこと、政府のコロナ政策への評価など話題は多岐に及びました。
- 大阪クリニック放火事件 現時点での犯罪心理学的分析
大阪クリニック放火事件、容疑者がまだ重篤な状態であり、背景や動機など、まだわからないことが数多く残されているが、現時点でわかっていることをもとに、犯罪心理学的な見地から分析を行った。
- 精神医学を人格攻撃の道具にするな 看過できない「専門家」による小室さんへの人格攻撃
小室さんへの「誹謗中傷」がやまない。そして精神科医がそれに加担するかのように「専門用語」を用いながら人格攻撃を繰り返し、まさに精神医学の名を借りた暴力が繰り返されている。
- 眞子さまの結婚をめぐる「対人攻撃」の不健全さ
眞子さまの結婚をめぐる執拗な誹謗中傷や対人攻撃によって、ご本人の複雑性PTSDが公表された。しかし「加害者」側の心理を分析すると、「被害者」よりも一層、不健康で不健全な心理状態が見て取れる。
- ワクチンデマ、信じるのはどのような人たちか データで見るその心理
ワクチン接種が進んでいるが、いわゆる「デマ」の影響はどの程度あったのだろうか。「デマ」を信じる人は、どのような人々で、どのような心理傾向を有しているのか調べてみた。
- ワクチン接種に対する心理は、4月からの5か月間でどう変化したか そしてその理由は?
ワクチン接種に関する調査の結果、4月時点と9月時点で人々のワクチン接種に関する心理が大きく変化したことがわかった。その理由としては、変異株の影響、周りの人が打っていることなどを挙げる人が多かった。
- 「ワクチンを接種した/したい」が85.5% 若者の接種希望も大幅増
4月の調査では、若者の2割がワクチン忌避傾向を示し、迷っている人も半数近くいた。今回の調査では、大きく様相が変化し、全体の9割近く、20代でも8割がワクチンに積極的な姿勢を持っていることがわかった。
- 緊急事態宣言下の野外フェスとマシュマロ実験
週末に愛知県で行われた大規模野外フェスに批判が殺到している。感染爆発のなか、自粛をやめてしまった人の行動を目の当りにすると、マシュマロ実験のことを思い出した。
- なぜ間違った医療情報を信じてしまうのか エビデンスよりも「物語」を好む心理
医療情報の洪水のなかで、われわれは何を信じてよいのかわからなくなっている。エビデンスは重要とわかっていても、「物語」を求めてしまうのが人間の心理であるが、それは非常に危うい態度である。
- 心理学者から見たメンタリストDaiGoさんの発言
ホームレスや生活保護受給者に対する発言で、メンタリストのDaiGoさんの動画が炎上した。その発言の裏にはどのような心理があったのだろうか。
- 感染爆発なのに危機感がない 人々の心理に何が起こっているのか 効果的な対策は?
感染爆発とも言われる第5波の真っ只中にあっても、人々には危機感が共有されていない。それはなぜなのか?その心理を探るとともに、行動科学に基づいた効果的な対策を提言したい。
- コロナ禍での五輪に熱狂する人々の心理とそこで忘れてはいけないこと
東京オリンピックが開幕した。開催前は開催反対の声が強かったが、一転して国中が熱狂に包まれている。その心理をどのように理解すればよいのだろうか。そして、そのなかで忘れてはならないこととは何だろうか。
- 小山田圭吾氏の辞任劇に際して考えたこと
障害者への「いじめ」が明らかになった小山田圭吾氏への批判が噴出している。われわれは、差別やそれに基づく言動には、「ノー」と言い続ける必要がある。
- マスメディアはなぜワクチンへの不安を煽るのか 安直な「中立性」の陥穽
最近の報道を見ていると、いたずらにワクチンへの不安を煽るようなものが少なくない。ワクチンを打たない権利、ワクチン・ハラスメントなどの言葉もよく聞かれるようになったが、そうした報道に問題はないだろうか。
- ワクチンをめぐるデマの危険性 なぜ人はデマにはまるのか
ワクチンを巡るデマがSNSなどを中心に広がりつつある。デマにはまる人の心理を理解するとともに、科学的エビデンスを武器に、毅然としてデマと闘うことが重要だ。
- 五輪開催と尾身会長発言 科学と政治の関係をどのように考えるべきか
五輪開催を巡る尾身会長の発言が物議を醸している。政府は反発していると報道されているが、科学を軽んじて、抑圧しようとする態度はきわめて危険である。
- 効果なしどころか有害、でも「空間除菌」を導入 ニセ科学を信じる心理とは?
コロナ禍のなかで、さまざまな対策について専門家の意見や科学的エビデンスを無視したり、あたかも自分が「にわか専門家」になったりする人々が目立ちます。いったいそこにはどんな心理が働いているのでしょうか。
- 「安心、安全なオリンピック」というスローガンに決定的に欠けているもの
政府やIOCは「安心、安全なオリンピック」というスローガンを掲げているが、われわれの「心」が無視されてはいないだろうか。オリンピックを心待ちにしていたファンの1人としてあえて苦言を呈してたい。
- コロナのワクチン忌避、20代に多い傾向 「接種したくない」人の心理とは?
コロナワクチンの接種準備が進められている。しかし、心理的なワクチンへの忌避感情が1つのネックとなりかねない。その実態と関連する要因を調査し、対策の提言を試みたい。
- まん延防止措置とは何だったのか そして3度目の緊急事態宣言の効果は
3度目の緊急事態宣言が出された。先に出されたまん延防止措置には効果がなかったと言わざるを得ない。そして、今回の緊急事態宣言には効果があるのだろうか。