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やはり、いびつなネット選挙運動解禁。配りまわってはいけない選挙公報

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上

都知事選挙も折り返しをすぎた。

ネット選挙運動解禁に伴い、積極的にインターネットを使っている陣営も多くみられ、やっとネット選挙運動がきちんとしたものになりだした感じがしている。

一方的に候補者が情報を発信する。

街頭演説の報告をするだけのTwitter。

ネット選挙運動はそんなものじゃない。

双方向性・拡散性・即時性など。これらを活かして”おもしろい”選挙になってほしい。

選挙公報は配りまわってはいけません!

そんな中、あまりクローズアップされてはいないが、自治体のHPにアップロードされている選挙公報をプリントアウトし配ることが法律違反となるいびつな状況が残っている。

選挙公報とは

選挙公報(せんきょこうほう)とは選挙に際して立候補した全ての候補者や政党の政見などを記載した文書で、公費で有権者に配布されるものをいう。 (Wikipediaより)

出典:Wikipedia

候補者の主張を一覧で眺めるための有益なツールです。

最近で、インターネット上での公開は許可されておらず、全戸配布、新聞への折込や公共施設での配布等で広めていた。

東日本大震災のあとに、自治体外での避難生活を送る方に配慮され、東北3県ではインターネット上での公開が認められた。そして2012年の衆議院選挙から全選挙で認められるようになった。

なので今回の都知事選挙でも東京都選挙管理委員会のページから閲覧することができる。

東京都HP
東京都HP

しかし、手に入れた、公職選挙法によりプリントアウトして多くの人に配ったり、電子メールで友人に送付などをすることができない。

公職選挙法の142条の「図画の頒布」の制限や、243条の電子メールの使用の制限にひっかかるのだ。(FBメッセージなどのウェブサービスはOK)

「選挙に多くの人に行ってもらうために、政策について周りの人に知ってもらいたい!!」って、思ってもこれらの行為はできない。

些細なことかもしれないが、まだまだ公職選挙法はいびつである。

全面的な見直しをしないとつぎはぎだらけの変な法律になるし、つまらない選挙のまま。

ちなみに一番面白い条文はこれだと思う。

第百四十一条の規定により選挙運動のために使用される自動車又は船舶に取り付けて使用するポスター、立札、ちようちん及び看板の類

出典:公職選挙法

今の時代、ちょうちんって・・・

ちょうちん
ちょうちん
政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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