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国政選挙の選挙権年齢を16歳に引き下げ大成功@オーストリア

原田謙介政治の若者離れを打破する活動を10年以上
2007年にオーストリアに旅行に行った際の写真

オーストリアの選挙権引き下げに関するレポートを友人がツイートしてた。

彼は、スウェーデンに留学していたり、欧州議会でインタ―ンをしていたりと、ヨーロッパで色々とやっている。

レポートはこれ。

Voting at 16 Main Results

Austrian National Election Studyという機関が出しているもの。少し前のものだけど。

A4に2枚のハンドアウトなので、詳しいものまではまだ読めていないけど、何点か面白い結果があったのであげてみる。

背景はこんな感じ。

オーストリアでは2007年に選挙権を18歳から16歳まで引き下げることが決まった。

国政選挙の選挙権を16歳まで引き下げるのは世界的にも珍しいそう。

何度かの地方選挙を経て、2010年には国政選挙が行われた。

被選挙権も19歳から18歳まで引き下げられたそうです。

レポートの抜粋を4点ほど。

1点目:投票行動について

16・17歳の投票率は高かった。

より年齢が低いうちに投票経験をした人は、2回目の選挙にも行きやすい

選挙に行く習慣を持ちやすくなる。

すでに、2005年からウィーンでは地方選挙の選挙権年齢を16歳に引き下げており、その世代の動向から導き出されたそうです。

2点目:政治への関心と学校

選挙権年齢を下げる前に比べて17・18歳の人の政治への関心は高まった。

彼らにとって、学校は政治の情報を得ることができる場であるだけでなく、政治や選挙について話し合う場でもある。

学校重要な居場所であるこの世代はやっぱり学校で選挙の話をするそう。

日本でもそうだけど、コミュニティの規模が大きくなり、クラスって概念の薄れる大学だと、選挙権を得たからって言ってもそんなに、選挙については話さないよね。

他に話すこともいっぱいあるし。

あとは、高校のほうが選挙に際しての教育もきちんと出来ると思う。

今でも、模擬選挙をやったり、シティズンシップ教育をやったりしている学校や組織はあるけど、

実際の政治に関わる投票ができるとなると、力も入るし、生徒も真剣になると思う。

3点目:他の世代とくらべての政治への関心

棄権する人は情報がなかったり、政治に無関心だからというわけではない。

興味や知識は上の世代と変わりなく、民主主義制度への満足度はむしろ高い。

若者だって興味あるよってこと!!もちろんだけど。

4点目:投票の質

投票の質が上の世代より低いというわけではない。むしろ、上の世代よりも、自らの政治信条にあった政党を選んでいる。

上の世代よりもきちんと政党が掲げる政策をみて考えているそうな。

で、結論としては、

largely positive. ポジティブ!!

と、こんな感じです。

興味ある方はぜひ元のレポートみてみてください。

日本では政治が約束していた、というか2007年の第1次安倍政権の時に決まった、

国民投票の投票年齢を18才以上に引き下げることすらなされていない・・・

選挙権・被選挙権ともにもっと引き下げられるべきだ考えています。

政治の若者離れを打破する活動を10年以上

1986年生まれ。岡山在住。愛媛県愛光高校、東京大学法学部卒。「学生団体ivote」創設。インターネット選挙運動解禁「OneVoiceCampaign」。NPO法人YouthCreate創設。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。大学非常勤講師や各省有識者会議委員などとして活動を広げていく。18歳選挙権を実現し、1万人以上の中高生に主権者教育授業を行う。文科省・総務省作成「政治や選挙等に関する高校生向け副教材」の執筆者でもある。2019年参議院選挙・2021年衆議院選挙に立候補し敗れる。元岡山大学非常勤講師。元グローバルシェイパー東京代表。元中野区社会福祉評議会評議員

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