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 安倍総理のやることなら一から十まで批判する、という朝日の執念を見る思いだ。

 トランプ大統領が国技館で相撲を観戦した翌5月27日朝刊、スポーツ面。

「相撲の魅力伝わった?」と大きな見出しで竹園隆浩という記者がこんなことを書いている。

〈異例ずくめのトランプ大統領の観戦は、通常と違う騒然とした館内で「大相撲」という日本の伝統文化が大統領にきちんと伝わったのか、疑問だった〉

 これが書き出しだ。

 初めての観戦なのだ。しかもアメリカ大統領、異例に決まってるし、短時間の1回の観戦で伝統文化がきちんと伝わるはずもなかろう。格闘技好きのトランプ大統領に、まず見てもらい、喜んでもらったらそれで十分ではないか。その上、世界中に日本の相撲が発信された。

 竹園記者は「騒然とした館内」、というが、読売新聞によると、

〈トランプ氏がメラニア夫人とともに国技館に登場すると、満員の観客は総立ちとなり、一斉にスマートフォンで撮影を始めた。トランプ氏はわき起こる歓喜や拍手に、手を挙げて応えた〉

 これが、大方の観客の思いであり、反応だろう。一体何を見ていたのか。

 竹園記者は桝席に椅子を持ち込んだこともお気に召さない。

〈4人用の囲みを壊して特別に椅子を設置し、座った。明らかに警護要員と分かる服装の人たちを含めて周辺の席や通路は満杯だった〉

 当たり前だろう。あの狭い桝席にあの大きな大統領が坐れるものか。それに、格闘技好きのトランプ大統領はリングサイドで見るのが当たり前なのだ。

 ぼくもたまたま14日目、久しぶりに桝席で観戦したが、あの狭さに4人坐るのは苦痛だ。バッグなどを置く空き間もない。しかも鉄パイプに寄りかかるしかないから背中が痛くなる。

 記者席は、腰掛けて足も入るようになっているから、竹園記者はあの狭さを実感として知らないのかもしれない。

〈観戦する大統領からは手持ち無沙汰感も伝わってくる。「力士らへの拍手も少ないし、国技が政治利用されている」と違和感を覚えたのは私だけだろうか〉

 あなただけだ。

 朝日は社会面でもトップで取り上げているが、ここでも40代女性会社員が批判。

〈「迷惑だった」。警察官が1メートルおきにいるようなものものしい雰囲気に戸惑った。自販機が使えないためか、売店も30分待ち。特にトランプ氏の入場時に歓声で相撲が中断されたことについて、「力士が相撲に集中できず相撲に失礼」と非難した〉

 そりゃ約1万人の観客の中にはそんな人も皆無ではなかったろう。しかし、約1万人の観客の中から、よくも、朝日の望みどおりこんなことを言ってくれる女性を見つけたものだ。

「天声人語」もトランプ大統領を批難。

〈「レイワ・ワン」と新元号を読み上げて場内が沸くと、いかにも満足げだった。よほど自己顕示欲が強いのだろう〉

トランプ大統領が賞状を持って「アサノヤマ、ヒデキ」と言い、「レイワワン」と言ったとき、場内はどっと沸いたのだ。天声人語子にはそんな歓声も聞こえなかったに違いない。

 朝日の執念、恐るべし。

 読売新聞がインタビューした会社員はこう語っていた。

「なかなか見られない人を見られて最高に興奮した」

「優勝の杯を渡す時に『レイワ』と言っていたのもうれしかったし、アメリカの大統領に日本流のおもてなしを楽しんでもらえたなら良かった」

 これが大方の日本人の思いなのではなかろうか。

 朝日新聞が、一般人の感覚といかに乖離しているか、今回の記事で改めて良くわかった。