4年連続、優勝を逃したためか、今シーズンオフの巨人の補強は湯水のようなカネの使いっぷり。『週刊新潮』が「見境いのない金権補強」と書いていたが、言い得て妙だ。

 FA宣言した広島カープの丸佳浩外野手を契約金5年総額30億円で獲得。ロッテの6年25億円、広島の4年17億円は遠く及ばなかった。

 丸選手だけではない。オリックスの中島宏之内野手を1億5000万円、西武の炭谷銀仁朗捕手を3年6億円、大リーグ、パドレスのビヤヌエバ内野手を年俸3億3000万円で獲得。そして今度は今季まで大リーグ、パドレスにいた岩隈久志投手。

 総額でざっと40億円超!

 FA制度が導入された93年以来、巨人はカネにあかせて、他チームのスター選手を獲得しまくってきた。

 93年以来、FA宣言した選手はのべ86人、うち巨人が獲得した選手が24人。FA制は巨人のためにあるようなものだ。巨人に選手を育てられるコーチはいないのか。

 93年 中日落合博満内野手1年、3億8000万円。

 94年 広島川口和久投手、3年、3億3000万円、ヤクルト広沢克己内野手、3年、6億5000万円。

 96年 西武清原和博内野手、5年、18億円。

 99年 ダイエー工藤公康投手、2億円2500万円。広島江藤智内野手、4年12億円。

 06年、日本ハム小笠原道大内野手、4年16億円。

 11年 ソフトバンク杉内俊哉投手、4年20億円。横浜村田修一内野手、2年5億円。

 13年 広島大竹寛投手、3年5億円。

 16年 DeNA 山口俊投手、3年7億円。日本ハム陽岱鋼外野手、5年15億円。

 しかも、カネにあかせて、これだけの選手を獲っても4年連続優勝できなかったのだから、巨人もこのへんで方針を変えたらどうか。

 広島や日ハムのように若い選手をじっくり育てて、球界を代表するスター選手に育てていく。ファンもその生え抜き選手の成長を楽しみに応援する。それでこそ、ファンもそのチーム、その選手に愛着が湧いてくるのだ。

 かつての近鉄のように弱いチームを応援する楽しみもファンにはあるはずだ。

 昨年まで熱心に丸選手を応援していた広島ファンは、来シーズンの巨人戦で、どんな思いで丸選手に対すればいいのか。

 こういう広島ファンの思いを巨人首脳陣や原監督は考えたことがあるのか。巨人が勝ちゃいいってもんじゃないだろう。

 FA制度がプロ野球をつまらなくし、ファンの熱い思いに水をかけている。

 プロ野球人気の衰退はこんなところにも原因がある。

 お断りしておくが、丸選手を責めているのではない。広島ファンの一人として、来シーズンの丸選手の活躍は期待している。

 丸選手の移籍決断に広島の緒方孝市監督。

「大変残念に思いますが、これもプロ野球選手としての権利なので彼の決断を尊重したい。今までチームの中心選手として3連覇に大きく貢献してくれたことは本当に感謝しています」

 シーズン中もベンチで一喜一憂せず、決して選手を責めることない緒方監督らしい言葉だった。

 原監督にその十分の一の慮があるか。