「私はリベラルの力を信じてます。だから、私はいきません!」

 群がる記者たちの前でカメラに向かってハッキリそう断言した辻元清美議員が、立派に見えてしまった。

 小池百合子都知事が「希望の党」設立を発表してからの民進党の右往左往ぶり、民進党というのはつくづくダメな党であり、民進党議員というのは、つくづくダメな連中ばっかりだということがよくわかった。

 第1のダメ。

 前原代表が小池都知事と会談し、いきなり合流を発表。憲法改正、原発ゼロ、消費税再凍結など、「希望の党」の基本政策(といってもこれも、実にいい加減な、思いつきみたいなものだが)は、これまで民進党が打ち出してきた政策とは明らかにくい違う。

 要は民進党のカネ(150億といわれる政党助成金)がほしい「希望の党」と、小池都知事が巻き起こすと思われた“カゼ”の力がほしい民進党との理念、政策を全く無視した野合なのだ。

 なのに前原代表は独断で合流を決め、9月28日の議員総会は、大もめ必至と思っていたら、なんと全会一致で了承。

 第2のダメは、民進党議員が移行すると決めたとたん、小池知事が出してきた踏み絵。

「憲法改正に賛成せよ、安保法制に反対した議員はいらない」

 こんなことは当然、小池、前原会談で話し合われていたと思っていたが、前原代表の大慌てぶりを見ると、とても話し合っていたとは思えない。前原代表は慌てて全部織り込み済みだったなどと言い出したが、そんな仕掛けができる力があれば、こんな無様なことにはなるまい。

 要は前原代表が小池都知事に手玉に取られたということ。

 案の定、ハジキ出されることになった民進党議員や、地方の民進党候補から異論続出。ついには枝野幸男議員をリーダーに「立憲民主党」結成という事態にまで至ってしまった。

 少なくとも政権交代を目指していた野党第一党が、小池マジックであっという間に解体された。小泉進次郎自民党副幹事長が遊説で言ったように、まさに「解体ショー」だ。

 で、小池都知事は、これで選挙資金も、候補者も民進党から奪い取って、初の女性総理の座が一歩近づいたと思ったかも知れないが、そうは問屋がおろさない、選挙でもカゼは吹かないというのがぼくの見立てだ。

 理由は3つあって、ひとつは今回の「解体ショー」で、小池都知事のあざとさにさすがに有権者も気付きつつあること。

 2つ目は「希望の党」の人材不足。番頭が細野豪志と若狭勝両議員。ハッキリ言って政権党を担う器じゃない。

 若狭議員なんて、ちょっと取材すればわかるが、検察内部での評判は散々だ。

 3つ目は、今回の総選挙では都議選の時と政治環境が違うということ。

 都議選の時は公明党、そして共産党も小池側についていた。つまり、足腰が非常にしっかりしていたわけだ。

 ところが、今回は全く逆。四党合意をホゴにされた共産党、「首班には山口代表を指名してもいい」と甘く見られた公明党が、全く協力しない。どころか反「希望の党」で選挙運動を繰り広げるのだ。

 新党を立ち上げた時、選挙には強いというこれまでの例もあるから、必ずしも楽観はできないが、「希望の党」、思ったほど票は伸びないのではないか。

 それにしても、この1週間、小池サン、都知事として、何か仕事したのか?