トランプはプーチンにとって「便利な愚か者」。

大統領就任直前、当選以来、半年ぶりのトランプの初会見は見ものだった。

CNNのジム・コスタ記者が再三、手を挙げて質問しようとするが拒否。

「あなたのネットワークはひどい。偽ニュースだ」。あげく「質問させない!」。

さすがに、まずいと思ったのだろう数分後、別のCNN記者の質問には答えていたという。(日本のメディアが、拒否している映像ばかりを放送し、後で答えていたことを報じないのも疑問だ)。

それにしても、何でトランプはCNNにあんなに怒ったのか。

2013年、トランプがミスユニバース世界大会でモスクワを訪れた時、FSB(ロシア連邦保安庁)がトランプが泊まっていたリッツ・カールトンホテルのスイートルームで、とんでもない痴態を繰り広げているのを盗撮、「不名誉情報」ファイルを作成したというのだ。

この情報をイギリスの情報機関元職員が入手、まず、ネットメディア「BuzzFeed」が全文公開。それに基づいてCNNが取材したうえで放送したのだ。

トランプはこの放送にカンカンに怒って、質問さえさせなかったわけだ。

トランプがどんな痴態を繰り広げたか――。

スイートルームに何人かの売春婦を呼んで、ベッドをゴールデンシャワー(放尿プレイ)で汚したという。ちなみに手元の研究社の英和辞典にgolden showerは出てなかった。golden keyは鼻薬、賄賂、Golden Stateはカリフォルニア州。

ゴールデンシャワー、真偽のほどはわからないが、トランプならやりかねない、と思わせるところが、トランプの人徳の無さであろう。

トランプがどうもプーチンに弱いというか、ロシアに弱いのは、そんな「不名誉情報」を握られていたからだと思えば妙に納得がいく。

ロシア情報機関がヒラリー陣営のコンピュータに浸入、不利な情報を流したことも、トランプが大統領になれば、ロシアはトランプを意のままに操れるからと考えればつじつまが合うではないか。

繰り返すが、イギリス情報機関の元職員が入手した情報の真偽はわからない。ただし、この文書を書いたと言われる元MI6の幹部は20年のキャリアがあり、ポロニウムで暗殺されたと言われるリトビネンコとも仕事をしていたという。

この件に関しては、『ニューズウィーク日本版』(1・3/10)の、元CIA諜報員で同誌コラムニスト、グレン・カールの「ロシア情報機関とトランプの『接点』」という記事が参考になる。

そもそもトランプには批判的な『ニューズウィーク』だけに、書き出しからして手厳しい。

〈ロシア情報機関は、ウラジミール・プーチン大統領のロシアに役立つ「便利な愚か者」としてトランプを操っている可能性もある〉

〈ひそかに他国のために働く人間は「裏切り者」だが、最も哀れなのは本人が知らないうちに他国のために働かされる「愚か者」だ〉

ロシアのホテルの情報もグレン・カールは何ヶ月も前に知っていたという。

そして、

〈情報機関にしてみれば、このような弱点を持っている人間は絶好のカモだ。(中略)情報将校にとって、トランプを操作するのはパブロフの犬を扱うようなものだ。あらかじめ条件付けしておけば、ある種の刺激を与えることで望み通りの反応を引き出せる〉

トランプの大統領就任は二日後の一月二十日。アメリカが心配になってき

〈ひそかに他国のために働く人間は「裏切り者」だが、最も哀れなのは本人が知らないうちに他国のために働かされる「愚か者」だ〉

ロシアのホテルの情報もグレン・カールは何ヶ月も前に知っていたという。

そして、

〈情報機関にしてみれば、このような弱点を持っている人間は絶好のカモだ。(中略)情報将校にとって、トランプを操作するのはパブロフの犬を扱うようなものだ。あらかじめ条件付けしておけば、ある種の刺激を与えることで望み通りの反応を引き出せる〉

20日の就任演説も、これまでと変わらない、ま、ツイッターレベル。反トランプデモの広がりといい、トランプが4年もつかどうか疑問だ。