ぼくの予想通り、都知事選は小池百合子候補の地滑り的大勝に終わった。100万票以上の差がついたのだから地滑り的と言ってもいいだろう。

 鳥越俊太郎氏、負けるべくして負けた選挙だった。

 敗因の第1は本人の資質。

 それにしても人間、つくづく「自分の器」はわからないものなのだと思う。

 ジャーナリスト、テレビキャスターとしてはそれなりの仕事をしてきたのだろうが、だからといって都知事が務まると考えるところが、甘いッ。

「準備不足もあったが、基本的に私の力不足」

 鳥越氏は敗戦が決まった後の会見で、そう語っていたが、そんなこと初めからわかっていたことではないか。わからなかったのはご本人だけ。

 出馬会見ではこんなことも。

「突然の出馬でちゃんとした公約とかも出来ておりませんので……」

 公約もなしで、よく立候補出来るものだと呆れたが、数日後本人が口にした“公約”が、

「住んでよし、働いてよし、環境によし」

 公約でもなんでもありゃしない。また数日後、それにプラスして「学んでよし」。

 この時点で、こりゃムリだと思った。

 小池候補に「病み上がり」と言われて怒ったが、何度もがん手術をし「病み上がり」であることは間違いあるまい。

 だいいち、演説回数も圧倒的に少なかったし、演説そのものが迫力不足。いかにも老人。喋れば喋るほど、大丈夫か、都知事の激務が務まるのかと懸念した都民も少なくあるまい。

 それに最近の言動、おかしなことばっかり。

 高市総務大臣の経歴が嘘と決めつけ抗議されるとすぐに撤回。小川榮太郎さんたちが新聞に出した意見広告のカネが「日本会議」から出ていると会見で発言したが、これも何の根拠もナシ。それでもジャーナリストかと言いたくなった。

 敗因の第2は例の『週刊文春』の「淫行疑惑」報道だろう。

 13年前の話を蒸し返されて気の毒とも思うが、政治家を志すなら、そのくらいの“身体検査”は覚悟しておくべきだ。

「女好きで、キャスター時代はやたらスタッフの女性に口をかけていた」(『文春』)というのだから、自覚はあったはずだし。

 鳥越氏はすぐに「事実無根」として刑事告訴したが、この件、どう見ても鳥越氏に分が悪い。

『文春』でも、後追いした『週刊新潮』でも鳥越氏、山中湖の別荘に20歳の女子大生と二人で行ったことは認めている。

 まさか、個人授業をしに行ったわけでもあるまい。

 だいいち『新潮』によると、その女子大生〈強制的に全裸にさせられ〉「今、しておけば、彼氏との関係もうまく行くよ」などと口説かれたと、証言が実に具体的なのだ。

 検察がどう扱うかはわからないが、裁判の過程ではまたいろいろ出てくるだろうから、鳥越氏にとっては告訴はやぶヘビだろう。多分、ほとぼりがさめたら、取り下げる、と予想しておこう。

 それもこれも、本人が「自分の器」を自覚せず、回りにおだてられて立候補してしまったからだ。今頃、いちばんしまったと思ってるのはご本人だろう。

 野党共闘か何か知らないが、共産党の口車に乗った民進党の罪も重い。