『文藝春秋スペシャル』がリニューアルだという。その第1冊目が5月27日に発売。題して「米韓中日本包囲網」。

「新書40冊分の内容がこの一冊に」というキャッチフレーズがついているが、「文春新書」ってそんなにお手軽なの、新書編集部が怒るのではと皮肉のひとつも言いたくなった。

内容についてはいろいろ書きたいこともあるが、それぞれの雑誌の編集方針があるからそれは書かない。

驚いたのは営業部が書いたのであろう、「文春インフォメーション 雑誌ご担当者様へ」という書店向けのペーパー。なんと「『WiLL』との併売がお勧めです」。

エッ? 『WiLL』との併売!?

ありがたい表現だけれど、話が逆だろう。

わが『WiLL』が『文藝春秋』と併売して下さいというならわかる。しかし、いかに「スペシャル」とは言え『文藝春秋』が『WiLL』との併売をお勧めしちゃいかんだろう。

このところの『文藝春秋』の低迷ぶりにOBとして密かに心を痛めていた。ABC考査(13年下期)でも30万ちょっと。戦後ずーっと『文藝春秋』は50万切ったことがなかった。いい時には75万越えていた。それが半分以下。

毎号の目次を見ても、覇気が感じられない。タイムリーなものがほとんどない。「大座談会」でごまかしている。『文藝春秋』でなくては出来ない「100人に聞く」とかいうシリーズもいいが、お手軽だ。

去年、『文藝春秋』の大判が送られてきた。読者が高齢化して「文字が小さい」という声が多いので内容はそのまま大判にしてみたというのである。最近広告が減っているのも大判にすれば入りやすくなる、そんな考えだと聞いた。

そして、その大判が好評で社の幹部も喜んでいるというのだ。

しかし、だ。それでなくても『文藝春秋』は厚過ぎる、重いという声が多い。あんな大判で、重さも増した雑誌をどこで読むのか。持ち歩きしにくいまさか机に正座して読めというわけでもないだろう。

文字だって今ので十分だと思うが、どうしても大きくしたいというなら、今の判型のまま文字を大きくすればいいのだ。そうすれば中味の分量は減るから、編集者も楽になる。余裕が出来る。

だいいち今の『文藝春秋』は厚過ぎるという声が多いのだ。読む方だって楽になるではないか。薄い方がいいというのは雑誌の鉄則だ。

そう思って社長に手紙を書こうと思ったが、余計なお世話かと思い直して書かなかった。

最近、やっぱり大判は止めるという声が聞こえてきた。それが正解。

新しく松井清人氏が社長に就任するという。

文藝春秋の看板『文藝春秋』の立て直しこそ最大の仕事だろう。

『文藝春秋』が元気でなくては雑誌界全体、元気が出ない。