演出としての喫煙シーン、非喫煙者は許容できるのだろうか
不特定多数が触れる機会がある媒体、特にテレビドラマや映画などにおいて、喫煙シーンが登場することで、子供や若年層に対し喫煙を助長することになるのではないかとの懸念がある。禁煙関連の団体はそのような危惧の意思表示をしているし、作品中に喫煙シーンや受動喫煙をイメージさせるシーンが登場するたびに「ご意見」を申し入れているのはよく知られたところである。今回はネットエイジアが2022年5月に発表した、非喫煙者意識調査(※)の結果から、非喫煙者がテレビドラマや映画の演出として喫煙シーンが出てくることを許容できるか否かについて確認をする。
次に示すのは調査対象母集団となる非喫煙者に対し、テレビドラマや映画の演出として喫煙シーンが出てくることを許容できるか否かを尋ねた結果。全体では73.9%(許容できる+やや許容できる)が許容できると回答した。
テレビドラマや映画の演出として喫煙シーンが出てくるのはよくない、自粛すべきであるとの考えを持つ人は26.1%と3割足らず。喫煙経験のある無しはともかく、現在非喫煙者な人においても、テレビドラマや映画の演出として喫煙シーンが出てきても問題は無いとする考えの人が多数派であるのが実情ということになる。
男女・年齢階層別に見ると、男性と女性との間では大きな差異は見られない。いくぶん女性の方が許容する人の割合が大きいように見える程度。年齢階層別ではおおよそ若年層の方が問題無しとの意見が多く、年を経るに連れて少なくなっていく。男性60代では63.0%しか許容できる人がおらず、「許容できない」とする強い否定意見を持つ人が14.0%もいる。
しかし男性60代でも問題無しとする意見の持ち主は過半数。ドラマや映画の登場人物が喫煙しているシーンを受け入れられないと思う「非喫煙者」はあくまでも少数派でしかないのが実情のようだ。
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※非喫煙者意識調査
2022年4月20日から21日にかけてインターネット経由で現在たばこを吸っていない20~69歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女比・10歳区切りの年齢階層で均等割り当て。
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