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最近もっとも値上がりを実感したものは「食品」(2022年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
さまざまな商品やサービスの値上げに頭が痛い今日この頃(写真:イメージマート)

昨今ではさまざまな商品やサービスの値上がりが目にとまる。それでは実際に人々は、どのようなものに対して値上がりを実感しているのだろうか。ソニー生命保険が2022年7月に発表した「家計防衛に関する調査 2022」(※)の結果から確認する。

次に示すのは最近(特に期間は設定されていない)、値上がりを実感したものについて複数回答で答えてもらった結果。トップには「食品」が6割超えの値でつく形となった。

↑ 最近、値上がりを実感したもの(複数回答、上位陣)(2022年)
↑ 最近、値上がりを実感したもの(複数回答、上位陣)(2022年)

トップの「食品」とそれに続く「ガソリン」は他の品目と比べて突出した形で大きな値を示している。各企業から相次いで、さらには短期間に複数回もの値上げが発表され実施されている「食品」、そして原油価格の高騰で価格が上昇している「ガソリン」に、多くの人が値上がりの実感をしているのは当然の話かもしれない。双方とも単に値上がりしているだけでなく、日々の生活の上では欠かせない存在で、頻繁にその価格を目にし、購入をしているからだ。

次いで「電気」が36.0%、「日用品」が31.8%、「ガス」が24.1%。「電気」や「ガス」は「ガソリン」同様に原油価格の高騰が大きな要因であり、また日々の生活の中では欠かせない存在なだけに、値上がりが目にとまるのも当然かもしれない。ただし実際に値上がりを体感するのは、月一ぐらいの頻度で届く支払い明細書を見る場面でなので、「食品」や「ガソリン」と比べると低い値にとどまってしまうのだろう。

これを回答者の居住地域別に見たのが次のグラフ。

↑ 最近、値上がりを実感したもの(複数回答、上位陣、地域別)(2022年)
↑ 最近、値上がりを実感したもの(複数回答、上位陣、地域別)(2022年)

全体のトップは「食品」だが、北海道・東北、北陸・甲信越、東海、中国・四国、九州・沖縄では「食品」よりも「ガソリン」の方が高い値となっている。近畿では両者が同じ値。これらの地域では自動車の利用頻度が高く、その分「ガソリン」を給油する機会が多いため、値上がりを強く感じているのだろうか。

また沖縄では「日用品」「外食サービス」「飲料」の値が突出している。代わりに沖縄では「スマホ端末」の値が他地域と比べるときわめて低い値にとどまっている。物価の値上がりの仕方において、沖縄ではこれらの傾向を生み出すような、他地域とは異なる動きが生じているのかもしれない。

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※家計防衛に関する調査 2022

2022年6月9日から13日にかけてインターネット経由で18~69歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(10・20代、30代、40代、50代、60代)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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