日常生活、遊興、そして蓄財などさまざまな行動の原資となる賃金は、若年層においてどのような実情なのだろうか。内閣府が2021年6月に発表した、主に若年層に関する公的資料を取りまとめた白書「子供・若者白書」の最新版をきっかけとし、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」のデータを用いて確認を行う。

直近年分となる2020年においては、正規社員(・正規職員)の方が正規社員以外(=非正規社員)と比べて賃金は高い。非正規社員は正規社員に対し7割前後の賃金にとどまっている。

↑ 雇用形態別平均賃金(男女別、千円)(2020年)
↑ 雇用形態別平均賃金(男女別、千円)(2020年)

これを細分化した「年齢階層別」「雇用形態別」の平均賃金の動向は次の通り。女性より男性、非正規社員より正規社員の方が賃金は高額だが、一律に年上になるに連れて高額になるとは限らないのが実情。

↑ 雇用形態・年齢階層別平均賃金(千円)(2020年)
↑ 雇用形態・年齢階層別平均賃金(千円)(2020年)

↑ 雇用形態・年齢階層別平均賃金(千円)(2020年)(折れ線グラフ化)
↑ 雇用形態・年齢階層別平均賃金(千円)(2020年)(折れ線グラフ化)

男女とも非正規社員の賃金は年が上になってもほぼ横ばいのまま推移している。これは正規社員における「社内でのさまざまな実績・経験による(賃金の)積み上げ」が、非正規社員には無いことを意味する。

さらに残業代やボーナス、社会保障の面では正規社員が優遇されているので、手取りの観点では正規社員との差はさらに大きくなる(企業側の社会保障が無い場合、多くの場合において自ら負担する必要が生じる)。

特殊な技術・資格を持ち、それこそ「渡り職人」「孤高の匠」のような立場ならば話は別だが、通常の非正規社員には正規社員と同じような「積み上げ」を得ることは期待できない。結果として賃金もそれ相応のものになる結果が、グラフのカーブ具合に表れている。

見方を変えると、女性の正規社員と男性の非正規社員の賃金体系は近い間柄にある(「残業代やボーナスの面では正規社員が優遇されている」ので、現実には女性正規社員の方が優遇される)。女性就労者の現状を語る一面と見ることもできよう。

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