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毎日食べているのは小学生85.8%・中学生81.8%…子供達の朝食事情

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
子供の朝食を食べる頻度は。家庭の事情も影響するのだが(写真:アフロ)

子供達の日常生活の実情は保護者以外には分かりにくい。全体像はなおさらの話。朝食を子供達は毎日食べているのか、その実情を文部科学省が2021年8月に発表した全国学力・学習状況調査(※)の結果を基に確認する。

設問は「朝食を毎日食べていますか」のみで、平日・休日の区分は無い。また、栄養剤やドリンクの類、シリアルやヨーグルトのようなものが朝食に該当するか否かも説明は無い。回答者が朝食と判断するか否かで答えてもらっていることになる。

↑ 朝食を毎日食べているか(学校種類別)(2021年度)
↑ 朝食を毎日食べているか(学校種類別)(2021年度)

毎日必ずといってよいほど食べているのは小学生で85.8%、中学生で81.8%。「どちらかといえば当てはまる」は時々食べない日もあるが、おおよそは食べているぐらいの感覚だろうか。それも合わせると小学生では94.9%、中学生では92.8%が朝食を食べていることになる。食べていないのは少数派だが、体調管理上からなのか、保護者の事情でからなのか、その他の理由によるものか、今調査結果からは分からない。

「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合算を朝食を食べている派として、その値の推移を示したのが次のグラフ。

↑ 朝食を毎日食べているか(「当てはまる」+「どちらかというと当てはまる」、学校種類別)
↑ 朝食を毎日食べているか(「当てはまる」+「どちらかというと当てはまる」、学校種類別)

イレギュラーが出ている年度もあるが、2014年度以降はわずかずつ減少しており、朝食を取らない小中学生が増えているようにも見える。実際、「当てはまる」のみの動向を見ると、朝食を食べている派の動きよりも明らかに減少する傾向を示しているのが分かる。

↑ 朝食を毎日食べているか(一部詳細、学校種類別)
↑ 朝食を毎日食べているか(一部詳細、学校種類別)

グラフ化は略するが、その分少しずつ「どちらかというと当てはまる」が増え、合算となる朝食を食べている派の値は、わずかずつ減少するにとどまっていることになる。具体的な回数を尋ねてはいないのでどれぐらいかまでは分からないが、小中学生自身の受け止め方として、毎日必ずしっかりと朝食を食べる人は少しずつ減り、食べない日も時々あるという人が増えていると解釈すればよいのだろう。

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※全国学力・学習状況調査

2021年5月27日、国公立および私立の小中学校に対し悉皆調査方式(標本調査ではなく全体を調べる)で行われたもので、実施学校数は小学校が1万9280校、中学校が1万0316校。教科調査(学力テスト)は国語と算数(数学)が実施されている。なお2020年度は新型コロナウイルス流行により調査実施そのものが見送られている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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