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難しいことでも失敗を恐れずに挑戦する小学生は約7割

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
危険なことはともかく、失敗を恐れずに挑戦するのは子供にとってもプラスになる(写真:アフロ)

難しいことでも失敗を恐れずに挑戦する意欲を小中学生はどの程度持ち合わせているのだろうか。文部科学省が2021年8月に発表した全国学力・学習状況調査(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは具体的な事例は挙げずに自分の行動性向について「難しいことでも失敗を恐れずに挑戦するか」との問いに当てはまる度合いを答えてもらった結果。小学生では「当てはまる」と「どちらかといえば当てはまる」を合わせ約7割が挑戦すると答えている。一方で中学生は6割台半ばにとどまっている。

↑ 難しいことでも失敗を恐れずに挑戦するか(学校種類別)(2021年度)
↑ 難しいことでも失敗を恐れずに挑戦するか(学校種類別)(2021年度)

小学生よりも中学生の方が挑戦するとの値が低いのは、小学生よりも中学生の方が世の中の広く深いことを知り、物事を考えるようになり、より慎重な姿勢を示すようになるからだろうか。

この設問に関して経年変化を見たのが次のグラフ。肯定意見の「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合算値の推移を見ている。

↑ 難しいことでも失敗を恐れずに挑戦するか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)
↑ 難しいことでも失敗を恐れずに挑戦するか(「当てはまる」+「どちらかといえば当てはまる」、学校種類別)

ややぶれがあるものの、小中学生ともにチャレンジ精神は少しずつ増加しているように見える。特に中学生は2009年度から2019年度の間に8.2%ポイントも増えているのが印象的。それゆえに、直近年度の2021年度で小中学生ともに大きな減少を示したのは気になる動きではある。新型コロナウイルスの流行による長期間の休学が、小中学生のチャレンジ精神に影響をおよぼしたのだろうか。

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※全国学力・学習状況調査

2021年5月27日、国公立および私立の小中学校に対し悉皆調査方式(標本調査ではなく全体を調べる)で行われたもので、実施学校数は小学校が1万9280校、中学校が1万0316校。教科調査(学力テスト)は国語と算数(数学)が実施されている。なお2020年度は新型コロナウイルス流行により調査実施そのものが見送られている。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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