平日と休日、それぞれの年齢階層別メディアの利用状況

メディアの進化が加速的なスピードで進む昨今、年齢階層間のメディアギャップが問題視され、注目を集めている。高齢層と若年層との間の利用メディアの差は非常に大きく、いわゆる世代間格差(ジェネレーションギャップ)は社会問題化にすらなりつつある。今回は、総務省が2021年8月に情報通信政策研究所の調査結果として発表した「令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)の内容を基に、年齢階層別の主要メディアの利用状況を行為者率の視点から確認する。

次に示すのは主要メディア(雑誌は欠けているが)の年齢階層別平均行為者率を示したもの。「行為者率」とは該当する区切りの期日、今件の場合は1日単位でその行為をした人の割合を示す。いわば利用者率である。例えば平日・テレビ(リアルタイム)・10代の値は59.9%とあるので、10代で平日1日にリアルタイムでテレビを連続で10分以上(調査用紙に「10分以上利用した場合は」との記述がある)視聴した人は59.9%いることになる。

↑ 主要メディアの平均行為者率(平日)(2020年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(平日)(2020年)

↑ 主要メディアの平均行為者率(休日)(2020年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(休日)(2020年)

平日の動向を見ると、利用者率そのものはインターネットが一番高く、テレビ(リアルタイム)がそれを追い、新聞が続く形。そしてテレビはリアルタイムでは高齢層ほど行為者率が高く、録画もほぼ同じ動き。インターネットは20代がピークだが、50代までは8割超を維持する。一方で新聞やラジオの年齢階層間格差は大きい。新聞利用者率は10代で2.5%、20代でも6.3%にとどまるが、60代では53.7%と半数を超える。

よく論争の的になるインターネットとテレビだが、10~40代はインターネットの方が利用者率は高く、それ以降はテレビ(リアルタイム)の方が高い。利用した人それぞれがどのぐらいの長さで利用したかはまた別問題だが、少なくとも利用した・しないの区切りでもこれだけはっきりとした、年齢階層別のメディアギャップが見て取れる。

休日も基本的なメディア間・年齢階層別の動向に違いはない。プライベートな時間を取れる機会が増えることから、いくつかのメディアの利用者率が底上げされている感はある。特にテレビ(録画)は大きく増加しており、平日に録画した番組を休日にまとめて視聴するスタイルが透けて見える。

平日と休日の差は?

生活リズムや各種メディアの利用状況において、平日と休日では過ごし方、時間の消費方法は随分と異なる。そこで休日値における平日との差異を算出したのが次のグラフ。

↑ 主要メディアの平均行為者率(休日値の平日値との差異、ppt)(2020年)
↑ 主要メディアの平均行為者率(休日値の平日値との差異、ppt)(2020年)

テレビ(録画)は休日の方が利用率は高い。上記で触れた通り、平日に録画した番組を休日にまとめて視聴するのだろう。テレビ(リアルタイム)は休日の方が利用率は低くなっているが、休日には観たい番組が無く、あるいは平日に録画した番組を観るのに時間を取られているのかもしれない。

インターネット、新聞、ラジオは休日の方が利用率は低い。仕事で利用しているので休日は利用しない、あるいは仕事や学業、さらにはテレビ視聴とのながら利用のため、休日はテレビ視聴に専念しているのだろうか。特にラジオでは自動車を運転しながら聴いている、家事をしながら聴いているなど、ながら利用のパターンが容易に想定できる。

メディアとの接触、利用率や利用時間は、個々の世代におけるメディアへのスタンスを推測できる、重要なデータに他ならない。特にメディア関連の技術が著しいスピードで進歩し、普及している昨今では、その変化は他のさまざまな社会事象を検証する上で非常に役立つものとなる。今件調査の継続を願い、その結果発表に期待したいところだ。

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※令和2年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2021年1月12日から1月18日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」「令和2年度調査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う、11都府県を対象とした緊急事態宣言下で行われたものであることにも留意が必要」と但し書きを入れている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。