今では多くの人にとって欠かせない存在のインターネット通販。具体的にどれほど使われているのだろうか。二人以上世帯の実情について、総務省統計局が2021年5月までに発表した全国家計構造調査(※)の結果から確認する。

「インターネット通販」つまり「インターネットによる通信販売」は「全国家計構造調査(旧:全国消費実態調査)」では2004年の調査から項目化されている。そこで2004年以降について消費支出(税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」)の金額に対する比率計算を行った結果が次のグラフ。参考までに切り口は異なるが、単身世帯における教養娯楽品のインターネット通販での購入比率のグラフも挙げておく。

↑ 「通信販売(インターネット)」における費目別の消費支出金額に対する割合(二人以上世帯、「その他」除外)
↑ 「通信販売(インターネット)」における費目別の消費支出金額に対する割合(二人以上世帯、「その他」除外)

↑ (参考)費目別支出金額の購入先別割合(単身世帯、教養娯楽で「通信販売(インターネット)」の利用割合)
↑ (参考)費目別支出金額の購入先別割合(単身世帯、教養娯楽で「通信販売(インターネット)」の利用割合)

単身世帯と比べるとインターネット通販の利用割合は小さく、直近年の教養娯楽を除けばすべての費目が1割には届いていない。しかしどの費目でも一様に金額面上の利用率は増加しており、インターネットによる通販利用が確実に二人以上世帯の世帯向け用品の調達においても浸透しているようすがうかがえる。

直近年分で比率そのものを見ると、教養娯楽の利用率は高く、食料は低め。実物を見ないと選びにくい被服および履物も他と比べれば低い値となっている。ただし昨今ではインターネット通販でも「まとめ買い」「同一商品の定期購入」が容易にできるようになったこと、地域の特産品のインターネット販売が普及しつつあるため、今後は食料も大きく伸びることが予想されよう。

経年変化の伸び具合を見ると、家事用品や教養娯楽の伸び方が著しい。前者は電子レンジや冷蔵庫などの耐久消費財もあればゴミ袋やトイレットペーパーのような消耗品もあり、後者はテレビやパソコン、デジカメのような耐久消費財、ペット用品や書籍、ゲーム各種も含まれるため、まさにインターネット通信販売向けのラインアップが対象となっている。二人以上世帯において世帯全体向けの購入品としても、大きく伸びるのは当然。

「デジタルディバイド」(デジタル系の技術会得格差。特に世代間格差と相並ぶことが多い)の問題を乗り越える必要があるが、今後増加するであろう「買物困難者(買物難民)」問題の解消法の一つにインターネット通販が挙げられている。二人以上世帯における世帯向けの商品購入に関しても、今件項目への注目は高められる必要がある。せめて全体で2割から3割ぐらいにまで引き上げられればよいのだが。

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※全国家計構造調査

家計における消費、所得、資産および負債の実態を総合的に把握し、世帯の所得分布および消費の水準、構造などを全国的および地域別に明らかにすることを目的としている。調査間隔は5年おきで、直近となる2019年は10月から11月にかけて実施されている。対象世帯数は全国から無作為に選定した約9万世帯。調査票は調査員から渡され、その回答は調査票に記述・調査員に提出か、電子調査票でオンライン回答をするか、郵送提出か、調査票ごとに調査世帯が選択できるようになっている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。