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インターネット通販は30代世帯が一番多用…夫婦世帯でのコンビニやインターネット通販でのお金の使われ方

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
多様な商品が揃っているコンビニ。夫婦世帯ではどこまで利用しているのか。(写真:アフロ)

今や日常生活には欠かせない存在となった、コンビニやインターネット通販。夫婦世帯ではどこまで利用しているのだろうか。総務省統計局が2021年5月までに発表した全国家計構造調査(※)の結果から、その実情を確認する。

今回確認するのは二人以上世帯(原則夫婦世帯。勤労者世帯だけでなく年金生活者世帯も含まれることに注意)における世帯主の年齢階層別による、消費支出全体や主要用品区分毎の全体支出額のうち、どれ位の金額の割合を、該当店舗で消費しているかについて。例えば、コンビニで29歳以下世帯の食料の値は7.1%が示されているが、これは世帯主の年齢が29歳以下の世帯が、1か月に消費する食料関係費のうち7.1%をコンビニで購入している計算となる。

↑ 購入先全体に占めるコンビニの割合(二人以上世帯、年齢階層別・品目別)(2019年)
↑ 購入先全体に占めるコンビニの割合(二人以上世帯、年齢階層別・品目別)(2019年)

縦軸の区切りが1%単位で、最大でも7.1%までしかないことから、二人以上世帯におけるコンビニへの傾注度はさほど高くないことが分かる。しかもおおよそ世帯主の年齢とともに値は減り、「高齢世帯のコンビニ離れ」傾向が確認できる。

各品目中では食料と諸雑費がやや高め。分かりにくいのが諸雑費。区分を解説する【支出分類】によれば諸雑費とは、

・床屋や美容院代

・理美容品(化粧品など含む)

・身の回り品(かばん、装飾品など)

・たばこ

・冠婚葬祭の各経費

・各種振込手数料

などが該当する。世帯主年齢階層の違いであまり値が落ちていないこと、商品単価が高いことなどから察するに、そして内部詳細実データからも確認できる通り(グラフ化は略)、諸雑費の多くはたばこによるもの。

続いてインターネット通販。

↑ 購入先全体に占めるインターネット通販の割合(二人以上世帯、年齢階層別・品目別)(2019年)
↑ 購入先全体に占めるインターネット通販の割合(二人以上世帯、年齢階層別・品目別)(2019年)

まず注目してほしいのは消費支出全体。若年層ほど高い値を示している。インターネットそのものの普及率、利用度合い、傾注度が、そのままインターネット通販の利用にも反映されている形だ。

他方、家具・家事用品が30代世帯では11.5%と年齢階層別で一番高い値を示しているが、これは育児用品の調達に利用しているのだろう。詳細値を確認すると、「家庭用耐久財」「家事用耐久財」「家事雑貨」「家事用消耗品」への支出金額が大きく(グラフ化は略)、日々の生活の支えとして縦横無尽に利用していることがうかがえる。

今回は当サイトでよく取り上げられる「コンビニ」「インターネット通販」において、「二人以上世帯」の消費性向の確認をした。夫婦世帯などにおける各ルートでの購入スタイルの傾向そのものはもちろん、先の一人暮らし版との比較も合わせ、今回のデータは色々な点で役立つこととなる。特に若年世帯と高齢世帯の差異は、それぞれの購入販路模索の上でも非常に有益に違いない。

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※全国家計構造調査

家計における消費、所得、資産および負債の実態を総合的に把握し、世帯の所得分布および消費の水準、構造などを全国的および地域別に明らかにすることを目的としている。調査間隔は5年おきで、直近となる2019年は10月から11月にかけて実施されている。対象世帯数は全国から無作為に選定した約9万世帯。調査票は調査員から渡され、その回答は調査票に記述・調査員に提出か、電子調査票でオンライン回答をするか、郵送提出か、調査票ごとに調査世帯が選択できるようになっている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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