普通預貯金、定期預貯金、生命保険など、そして株式などの有価証券…貯蓄の仕方には色々なスタイルがある。夫婦世帯ではどのような形で貯蓄をしているのだろうか。世帯主の年齢で違いは生じるのだろうか。世帯主の年齢階層別における二人以上世帯の貯蓄(ここでは金融資産を意味する)の実情を、総務省統計局が2021年5月までに発表した全国家計構造調査(※)の結果を基に確認する。

次に示すのは二人以上世帯における貯蓄の具体的な種類における、その構成比の推移。二人以上世帯における貯蓄残高に関して、どのような形で貯蓄しているのかの割合を、世帯主の年齢階層別で示している。なお、通貨性預貯金とは普通預貯金を意味する。

↑ 貯蓄の種類別構成比(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)(2019年)
↑ 貯蓄の種類別構成比(二人以上世帯、世帯主年齢階層別)(2019年)

若年層世帯では可処分所得も貯蓄に回せる余力も少なく、状況に応じて引き出す必要が生じる可能性も高い。よって、柔軟性・流動性が高い通貨性預貯金の比率が高くなる。クレジットカードの利用が多いのも、通貨性預貯金の比率が高い一因だろう。また余剰資金の少なさもあり、有価証券への割り振りも少なめ。歳を経るに連れて定期性預貯金比率は増え、有価証券も増加していく。70歳以上では40.5%が定期性預貯金となる。

30代までの通貨性預貯金の比率の高さを見て、全体値の低さへの疑問を持つ人もいるかもしれない。これはひとえに人口構成比によるもの。ウェイトバックをかけたあとの今調査における世帯主年齢別構成比率は次の通りで、30代以下は1割強でしかなく、60代以上で半数強。

↑ 二人以上世帯の世帯主年齢階層別世帯数構成比率(2019年)
↑ 二人以上世帯の世帯主年齢階層別世帯数構成比率(2019年)

年齢階層別回答数が均等割り当てでなく人口比率などとなっている場合には、全体値の動向を見る際には注意が必要に違いない。

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※全国家計構造調査

家計における消費、所得、資産および負債の実態を総合的に把握し、世帯の所得分布および消費の水準、構造などを全国的および地域別に明らかにすることを目的としている。調査間隔は5年おきで、直近となる2019年は10月から11月にかけて実施されている。対象世帯数は全国から無作為に選定した約9万世帯。調査票は調査員から渡され、その回答は調査票に記述・調査員に提出か、電子調査票でオンライン回答をするか、郵送提出か、調査票ごとに調査世帯が選択できるようになっている。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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