一人暮らしでは通常日常生活に必要なものを本人が調達する必要があるので、買い物の場所には大きな関心を寄せることになる。どの店が自宅などの生活領域から距離的に近いか、品揃えが豊富か、コスト的に優れているか。今回は生活をサポートする小売店としてコンビニエンスストア(コンビニ)、百貨店(デパート)、インターネット通販に注目し、単身世帯の買い物でどの程度活用されているかに関して、総務省統計局が2021年5月までに発表した全国家計構造調査(※)の結果から検証する。

次に示すのは、単身世帯における消費支出全体や主要用品区分毎の全体支出額のうち、どれ程の金額の割合を、該当店舗で消費しているかについて。例えば、コンビニで食料区分、30歳未満男性は13.4%の値が出ているが、これは30歳未満の単身世帯の男性が、1か月に消費する食料関係費のうち13.4%をコンビニで購入している計算となる。

なお消費支出とは、税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」を指す。また、百貨店は事実上デパートと同じ。

まずはコンビニ。

↑ 購入先全体に占めるコンビニの割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)
↑ 購入先全体に占めるコンビニの割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)

「消費支出全体」の値が全般的に男性の方が大きく、単身世帯では女性より男性の方がコンビニへの傾注度が高いことが分かる。また大きめの値を示しているのが食料と諸雑費。食料は内容が容易に理解できるが(女性は30歳未満のみ突出しているのに、男性は30~59歳までその傾向があり、単身男性の食生活がコンビニにかなり依存しているようすが見て取れる)、分かりにくいのが諸雑費。区分を解説する支出分類によれば諸雑費とは、

・床屋や美容院代

・理美容品(化粧品など含む)

・身の回り品(かばん、装飾品など)

・たばこ

・冠婚葬祭の各経費

・医療保険料、各種介護関係費

などが該当する。男性の該当比率が極めて高いところをみると、諸雑費の多くはたばこによるものと考えられる。

続いて百貨店。

↑ 購入先全体に占める百貨店の割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)
↑ 購入先全体に占める百貨店の割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)

全体的には女性の方が男性よりも高めの値が出ている。女性は男性と比べ、生活におけるデパートへの傾注度が高いことになる。また男女とも、特に女性は被服および履物の出費率が高い。また、女性は食料、諸雑費の割合が高いが、前者はデパ地下でのまとめ買い、後者は化粧品や装飾品の購入が該当すると見てよい。

最後にインターネット通販。

↑ 購入先全体に占めるインターネット通販の割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)
↑ 購入先全体に占めるインターネット通販の割合(単身世帯、男女別・年齢階層別・品目別)(2019年)

被服および履物、教育娯楽、そして一部属性で家具・家事用品に高めの値が出ているのが分かる。単身世帯のライフスタイルにおいて、これらのジャンルで、インターネット通販が愛用されている実態が確認できる。

今回はコンビニ、百貨店(=デパート)、インターネット通販の3つの流通ルートにおいて、あまり注目されることのない、あるいは調査ではスポットライトを当てられることが少ない、単身世帯の消費性向についてチェックを入れてみた。今後単身世帯が増加することを考えれば、今回のデータは色々な点で役立つに違いない。特に若年層、そして高齢層の一人暮らしの生活スタイルを推し量るには、非常に有益なデータだろう。

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※全国家計構造調査

家計における消費、所得、資産および負債の実態を総合的に把握し、世帯の所得分布および消費の水準、構造などを全国的および地域別に明らかにすることを目的としている。調査間隔は5年おきで、直近となる2019年は10月から11月にかけて実施されている。対象世帯数は全国から無作為に選定した約9万世帯。調査票は調査員から渡され、その回答は調査票に記述・調査員に提出か、電子調査票でオンライン回答をするか、郵送提出か、調査票ごとに調査世帯が選択できるようになっている。

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