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スマホは82.7%が自分専用…子供のネット用スマホなどは専用か保護者と共用か(2021年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 親子でスマートフォン。子供としては自分専用のがほしいのかもしれないが。(写真:Paylessimages/イメージマート)

子供達がインターネットのアクセスに利用するスマートフォンやタブレット型端末は高額なもので、子供の小遣いで購入するのは難しい。また利用管理の観点で保護者と共有した状態で使うこともあるだろう。その実情を内閣府が2021年3月に報告書を発表した「令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の結果から確認する。

次以降に示すのは該当機器でインターネットを利用している小中高校生について、その機器の利用状況を専用・共用の観点で尋ねた結果。例えばスマートフォンで総数において自分専用は82.7%と出ているので、小中高校生全体でスマートフォンを使ってインターネットを使っている人のうち82.7%は、そのスマートフォンが該当者専用のものであることを意味する。

↑ インターネット利用機器の専用・共用状態(スマートフォン、該当機器でインターネット利用者限定)(2020年)
↑ インターネット利用機器の専用・共用状態(スマートフォン、該当機器でインターネット利用者限定)(2020年)

スマートフォンは例えばパソコンやタブレット型端末と比べると機動性が高く自宅外でも個人で使われるケースが多々あることなどから、自分専用の割合が高いものとなっている。総数でも8割強が自分専用で、保護者との共用は14.5%でしかない。小学生では5割強、中学生でも1割強は保護者との共用。高校生になるとほぼ100%、自分専用のものとなる。なお、男女別の差異は小学生で女子の方が自分専用の割合が高いものとなっているが、中高生では傾向だった動きは見られない。

続いてタブレット型端末。

↑ インターネット利用機器の専用・共用状態(タブレット型端末、該当機器でインターネット利用者限定)(2020年)
↑ インターネット利用機器の専用・共用状態(タブレット型端末、該当機器でインターネット利用者限定)(2020年)

子供が使う場合は自宅利用となる場合が多く、また自宅内の無線LANによるアクセスが多分となるなどの事情から、パソコンほどではないものの、保護者と共用による利用が多い。また、兄弟姉妹と共用の割合も高いものとなっており、子供一人一人に持たせるのではなく、兄弟姉妹で合わせて1台という与え方をしているケースが多々あるものと考えられる。

男女間では女子の方が保護者と共用の割合が高いのは、パソコン同様に保護者の懸念が女子に対する方が大きいからだろう。

子供達のインターネット利用機器における専用・共用の実情は、その機器を入手する金銭の問題や利用コンテンツの安全性の観点で、大変気になる要素。しかしこれまであまり調査の対象としては上がってこなかった。今回このような形で明確な数字が出たことで、その実情が明らかになったのはありがたいお話ではある。

■関連記事:

【【更新】子供にパソコンを使わせるメリット、そして不安なこととは】

【年齢階層別にパソコンの世帯普及率の実情をさぐる(2020年公開版)】

※令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査

2020年1月10日から2月14日にかけて、2020年1月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3194人(うちウェブ経由は255人)、保護者は3384人(うちウェブ経由は115人、郵送回収法は41人)。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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