エアコンは何年で買い替えられているのだろうか(2021年公開版)

↑ エアコンは今や生活に欠かせない存在となりつつある。(写真:アフロ)

エアコンの買い替え年数は13年強

夏は冷房、冬は暖房機器として働き、室内の温度や湿度を適切に保つエアー・コンディショナーこと(ルーム)エアコン。昨今では電力消費、高齢者の健康維持問題の観点でも注目を集めるこの家電の、買い替え年数の実情を、内閣府の消費動向調査(※)の結果から確認する。

「エアコン」との表記について、詳しい説明は回答用の質問用紙には見当たらない。単に「ルームエアコン」との記述のみ。冷房のみの「クーラー」は(少なくとも普通の家庭向けでは)最近は見かけなくなったが、今調査では該当項目が無く、もし保有者がいても今件項目の「エアコン」として回答したものと考えられる。一方で「ファンヒーター」は「買い替え状況」では対象となっていないものの「保有状況」(普及率換算の時に使用)では「エアコン」と別物として扱われていることから、「エアコン」には該当しない。「空気清浄機」も同様である(昨今では空気清浄器機能を兼ねたエアコンもあるが、それはあくまでもエアコンがメインであることから、今件項目対象となる)。

世帯区分のうち長期の時期系列による値が公開されているのは二人以上世帯のみ。そこでまずは、エアコンの二人以上世帯における、買い替え年数推移をグラフ化する。

↑ エアコン買い替え年数(二人以上世帯、年)
↑ エアコン買い替え年数(二人以上世帯、年)

やや起伏、イレギュラーな動きもあるが、全般的には買い替え年数はほぼ10-11年で安定していた(ちなみに30年分平均は11.2年)。以前「消費動向調査」関連の記事で「一般家電、白物家電の買い替えサイクルは10年位」との一般論を取り上げたが、エアコンもこの法則にほぼ当てはまることになる。

一方で直近の2021年分は13.2年。2017年分の13.6年以降はこれまでと比べてやや高い値を示していたが、その傾向は2021年でも踏襲されたことになる。2017年以降に年数が伸びる動きは先行する各家電でも確認されているが、買い換えを行った世帯数比率は前年比で増加した動きが生じていることから、長年利用していた世帯が性能向上の新商品に合わせて、買い替えを動機づけたケースが増えている可能性は高い。

これを単身世帯の動向と重ねてグラフ化したのが次の図。

↑ エアコン買い替え年数(世帯種類別、年)
↑ エアコン買い替え年数(世帯種類別、年)

他のデジタル系アイテム同様、単身世帯の方が買い替え期間が短い動きにある。その差は半年~1年程度。イレギュラー的な動きも見られるが、単身世帯のうち該当世帯数が少数であることから、統計上のぶれが生じている可能性は否定できない。例えば今調査においては2021年ではエアコンの買い替えをした単身世帯は91世帯にとどまっている。

大きく変化するエアコンの買い替え理由

エアコンの「買い替え理由」を二人以上世帯・単身世帯それぞれについて確認したのが次のグラフ。

↑ エアコン買い替え理由(二人以上世帯)
↑ エアコン買い替え理由(二人以上世帯)

↑ エアコン買い替え理由(単身世帯)
↑ エアコン買い替え理由(単身世帯)

単身世帯の方が「住所変更」による買い替えが多少ながらも多いように見える。ただし2倍の差などのレベルでは無く、数%ポイントの範囲。

一方「故障」要因では二人以上世帯の方が多く、故障でお手上げになるまで使い続けているようすがうかがえる。

エアコンはかつて実施されていた「(家電)エコポイント制度」の対象商品だった。2009年5月15日から2011年3月末購入分までは何らかの反応、具体的には「その他」要因の増加がエコポイントによるプラス分として見られるはずではある。そこでグラフにおいて該当する2011年(3月)までの動きを見ると、単身世帯・二人以上世帯ともに2011年にやや大きな動きがあり、それなりの影響(買い替え促進)を及ぼした可能性は高い。特に単身世帯ではグラフ対象期間の10年間で最大の比率を示しており、大きな買い替えの後押しとなったと考えられる。

単身世帯では「上位品目」要因で2012年に大きな伸びが確認できる。2011年3月に発生した東日本大地震・震災に伴う電力需給の問題を受け、節電効果が高く性能のよい、新型機種への買い替えが数字となって表れたのだろう。また2021年では単身世帯で「上位品目」の値が大きく伸びているが、新型コロナウイルス流行の影響を受けた可能性がある。これまでは利用するのは自分だけだからと古いエアコンを使い倒していたが、在宅時間が延びたことや、換気の重要性を考慮し、よりよい機種に買い替えようと判断した結果だと推測すれば道理は通る次第ではある。

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※内閣府の消費動向調査

今後の暮らし向きの見通しなどについての消費者の意識や各種サービスなどへの支出予定、主要耐久消費財などの保有状況を把握することにより、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的としている調査。調査世帯は、二人以上の世帯、単身世帯毎に三段抽出(市町村・調査単位区・世帯)により選ばれた8400世帯。調査時期は毎月1回で、調査時点は毎月15日。毎月10日前後に調査対象世帯に調査票が届くよう郵送し、毎月20日頃までに届いた調査票を集計する。なお2018年10月からは郵送・オンライン併用調査法を導入している。

毎月調査を実施しているが年1回、3月分において、他の月よりは細部にわたる内容を調査している。その中の項目の一つ「主要耐久消費財の買い替え状況」を今件精査では用いている。これは「対象品目を回答年度(今回の場合は2020年4月~2021年3月)に買い替えをしていた場合、買い替え前の商品はどれだけの期間使っていたか」を尋ねた結果。つまり直近の買い替え実施者における「買い替えまでの年数」が示されることになる。新規に購入した場合や、買い替えが該当時期でなかった場合は回答に加わらない。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

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(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。