ハムやソーセージなどの加工肉の消費量の地域別傾向をさぐる(2021年公開版)

↑ ハムやソーセージなどの加工肉はどの地域が一番多く消費しているのか。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

牛豚鶏などの精肉と比べ地域別消費動向の話題に上りにくいハムやソーセージなどの加工肉。その実情を総務省統計局の家計調査の公開値から確認していく。

今件の精査にあたり、商品ごとの価格差が大きいため、支出金額の精査は行わず、消費量のみを確認する。また家計調査の年報(直近分は2020年分)では総世帯と単身世帯において消費量の調査が行われておらず、値の抽出は不可能であることから、二人以上世帯に絞って消費量の動向を精査する。

なお家計調査における各加工肉の定義は次の通り。

・ハム…鳥獣肉を塩漬け後、香付けのためくん煙し、原則として湯煮などしたもの。ロースハム、プレスハム、生ハムが該当。魚肉ソーセージは魚肉練製品となるためハムには該当しない。

・ソーセージ…鳥獣肉のひき肉を腸詰めにし、乾燥後、くん煙などしたもの。野菜入りなども含む。ソーセージと呼ばれているもの以外にウインナーやフランクフルト、サラミ、生ソーセージも該当する。

・ベーコン…鳥獣の腹肉などを塩漬け後、くん製にしたもの。

まずは大まかな状況確認のため、ハム・ソーセージ・ベーコンのおおよその相場を東京都の値で示しておく。

↑ 東京都での主要加工肉価格(二人以上世帯の調達価格、100グラムあたり/円)(2020年)
↑ 東京都での主要加工肉価格(二人以上世帯の調達価格、100グラムあたり/円)(2020年)

メーカー、種類、調理方法、販売地域など多様な条件で変動はあるが、おおよそ種類毎にこの程度の価格差が出ているとの認識ができる。

続いてハム・ソーセージ・ベーコンそれぞれの、年間消費量上位10位の都道府県をグラフ化し、状況を確認する。世帯単位での年間消費量を示したもので、例えばハム消費量トップの福井県なら、二人以上世帯限定だが2020年の1年間で1世帯あたり約3.47キロのハムを消費したことになる。なお3種類のグラフですべて縦軸の区分は揃えているため、それぞれの種類の重量差異を推し量ることもできる。

↑ 年間ハム消費量トップ10(二人以上世帯、都道府県別、グラム)(2020年)
↑ 年間ハム消費量トップ10(二人以上世帯、都道府県別、グラム)(2020年)

↑ 年間ソーセージ消費量トップ10(二人以上世帯、都道府県別、グラム)(2020年)
↑ 年間ソーセージ消費量トップ10(二人以上世帯、都道府県別、グラム)(2020年)

↑ 年間ベーコン消費量トップ10(二人以上世帯、都道府県別、グラム)(2020年)
↑ 年間ベーコン消費量トップ10(二人以上世帯、都道府県別、グラム)(2020年)

分量単価ではハムが一番高く、次いでベーコン、ソーセージの順だが、消費量ではソーセージが一番多く、次いでベーコンではなくハムが入り、ベーコンは最後。販売種類数の違いや料理への応用度、食文化、さらには贈呈品としての利用のされやすさなどの点で、ベーコンは消費量がさほど多くはないようだ。

また地域別動向を見ると、ハムやソーセージは特段地域による傾向だった違いはなく、ベーコンは東日本が多めに見える。それゆえ、沖縄のベーコン消費量の多さは特筆もの。ジョールベーコンをはじめとしたベーコン、そして豚肉を愛食する食文化が数字となって表れたものと考えられる。

グラフでは場所的把握がしにくいことから、それぞれの種類の消費量について全国平均を基準値とし、その基準値から多い少ないを計算して都道府県別に色分けをしたのが次の地図。薄い色ほど消費量は少ない地域となる。

↑ ハム消費性向(二人以上世帯)(2020年)
↑ ハム消費性向(二人以上世帯)(2020年)

↑ ソーセージ消費性向(家計調査・二人以上世帯、都道府県別)(2020年)
↑ ソーセージ消費性向(家計調査・二人以上世帯、都道府県別)(2020年)

↑ ベーコン消費性向(家計調査・二人以上世帯、都道府県別)(2020年)
↑ ベーコン消費性向(家計調査・二人以上世帯、都道府県別)(2020年)

ハムは近畿地方や関東地方、東北地方などでよく食べられている。他方、消費量が少ない地域は主に近畿より西側。ソーセージは地域による差異はあまりなし。どちらかといえば日本海側でよく食べられているようにも見える。そしてベーコンはおおよそ西日本から関東では少なく、北日本では多く食べられている。ただし沖縄は上記の通り別枠で、ベーコンの消費量が多い。

牛豚鶏肉ほどではないが、加工肉においてもまた、地域による消費性向の違いが生じている。興味深い話ではある。

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