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犬と猫、どちらの専門誌がよく売れているのか…犬猫系雑誌の部数動向をさぐる(2020年10~12月)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 犬も猫も愛らしい存在には違いない。その専門雑誌の部数は。(写真:アフロ)

愛犬・愛猫の情報源として、雑誌は非常に有益。ではその犬猫系雑誌の部数動向はどのような状態なのか。犬猫そのものの需要、人気をも連想させる実情を、日本雑誌協会が四半期ベースで発表している印刷証明付き部数(※)から確認する。

犬や猫の定期刊行雑誌は少なからず存在するが、印刷証明付き部数が日本雑誌協会の公開データベースに収録されているものは、ベネッセ刊行のペット専門誌「いぬのきもち」と「ねこのきもち」のみ。書店での一般売りはなく、通販専用の雑誌。書店のレジでサンプルが配られていることが多く、表紙に掲載されている犬や猫たちの愛らしい表情に、惚れた人も多いはず。その印刷証明付き部数は次の通り。

↑ 印刷証明付き部数変化率(いぬのきもち・ねこのきもち、前年同期比)(2020年10~12月)
↑ 印刷証明付き部数変化率(いぬのきもち・ねこのきもち、前年同期比)(2020年10~12月)

↑ 印刷証明付き部数(いぬのきもち・ねこのきもち、万部)
↑ 印刷証明付き部数(いぬのきもち・ねこのきもち、万部)

発行元のベネッセにおける大規模情報漏えい問題に絡み、部数を大きく減らした2014年からはすでに数年が経過している。「ねこのきもち」はほぼその時の下げた分を回復するレベルにまで復調し、その後の下落も緩やかなスピードだが、「いぬのきもち」はリバウンド後に失速し、さらに減少度合いは加速、2019年1~3月期を底にようやく回復の動きを見せるようになった程度(ただしその後再び部数は減少の気配を見せている)。結果として犬猫で大きく異なる結果が出てしまっている。

関連団体による試算ではあるが、日本国内のペット数動向では犬が減少し猫は微増との結果が出ている(【令和2年 全国犬猫飼育実態調査(ペットフード協会)】)。2020年時点での犬の飼育頭数は約848.9万頭、猫は約964.4万頭。両誌の部数もそれに連動するものと考えれば納得がいく。

直近では「いぬのきもち」が約6.6万部、「ねこのきもち」が約8.2万部。ペットとしての犬猫の需要にも浅からぬ関係があるだけに、大いに注目したい。

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※印刷証明付き部数

該当四半期に発刊された雑誌の、1号あたりの平均印刷部数。「この部数だけ確かに刷りました」といった印刷証明付きのものであり、雑誌社側の公称部数や公表販売部数ではない。売れ残り、返本されたものも含む。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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