豆乳の生産量動向をさぐる(2020年公開版)
スーパーの飲料・乳製品コーナーで豆乳飲料を配する場所の面積は増え、続々と新商品が登場し、その活況ぶりをうかがうことができる。自炊の素材としてもよく使われるようになったとの話もあり、実際に各レシピサイトでも多様なメニューを目にする機会が増えている。今回は日本国内の豆乳などの生産量動向に関して、日本豆乳協会が定期的に情報を更新・公開している【豆乳等生産量等調査】を基に、その現状を確認していく。
まずは直近となる2019年の年間豆乳生産量。
店頭では(無調整)豆乳と調整豆乳が並べて販売されている場面をよく見かけるが、生産量は調整豆乳が豆乳の2倍近く。詳しい検証は省略するが、公開資料のデータの限りでは出荷量≒消費量もほぼ同率の状況にある。多様でユニークな味わいのものも多い豆乳飲料の類は、果汁入りが1.66万キロリットル、その他諸々の豆乳飲料が6.06万キロリットル。
続いてこれを経年変化の動きで見たのが次以降のグラフ。豆乳全体と、各種類別の動向を確認する。
総量はバブル時代からするりと落ち(この減退傾向はそれ以前に生じていた豆乳ブームに関して、粗悪品が市場に出回り、豆乳全体のイメージが落ちたことが原因とされている)、その後は低迷していたが、前世紀末から漸増。ITバブル前後までには健康志向への対応や調整豆乳の堅調ぶりを受けて大きく飛躍したが、大豆イソフラボンの過剰摂取問題が話題に上るに連れて需要が冷え込み、特に調整豆乳の分野で減退著しく、数年間は低迷を続ける形となった。
2008年を底とし、調整豆乳の復調とともに総量も増加に転じ、以降は他の種類も併せ順調な伸びを示している。特に(無調整)豆乳はそのまま飲用するだけでなく、冒頭で触れたように料理の素材としての用いられ方が浸透しはじめ、生産量が大きく伸びている。
総生産量に占める比率では、(無調整)豆乳の伸び具合、果汁入り豆乳飲料がじわりと値を伸ばしていたなどがうかがい知れる。ただし上記の折れ線グラフからも受け止められるが、ここ数年ではさらに豆乳・調整豆乳が伸びる一方で、果汁入り・その他はおおよそ横ばいのままの動きを示している次第ではある。
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