パソコンやスマートフォンはどこで利用されているのか、その実情をさぐる(2020年公開版)

↑ 通勤中でもスマートフォンでインターネットアクセス。実際にはどれぐらい?(写真:アフロ)

パソコンは高機能だが機動性の点で今一つで、それは主流がデスクトップ型パソコンからノート型パソコンにシフトした現在でも変わらない。一方、その機動性の点で優れたスマートフォンやタブレット型端末が急速に普及をしつつあるものの、総合的な処理能力の点ではパソコンに届かない。半ばそれぞれの端末が一長一短的な状態にある現在においては、どのような場所でどれほどまでに、各端末が利用されているのだろうか。情報通信政策研究所が2020年9月に発表した「令和元年度 情報メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)から、パソコンや携帯電話などによるインターネットの利用状況について確認する。

次に示すのは、自宅・職場・学校・移動中の4項目に使用場所を区分した上における、それぞれの端末によるインターネットの平均利用時間を年齢階層別に区切ったもの(元の資料ではこの他に「その他」の場所区分があるが、今件では省略している)。また、今データは各年齢階層の全体比で、利用していない人の利用時間はゼロとして計算しているので、利用者そのものが少なければ、必然的に平均利用時間は短いものとなる。

↑ 主要機器によるインターネット利用時間と利用場所(平日、機種別・年齢階層別、分)(2019年)
↑ 主要機器によるインターネット利用時間と利用場所(平日、機種別・年齢階層別、分)(2019年)

平日は職場や学校にいる機会が多いことから、パソコンの自宅での利用時間は後述する休日と比べて短め。職場では20代より30~50代の方が長い時間パソコンと相対していることになる。意外なのは10代・20代の学校での利用時間で、ほとんど利用している人がいないこと(学校におけるパソコンの利用の際にはインターネットは遮断されているケースもありうる)。20代は大学生における利用だろうか。さらに移動中のパソコンの時間がほぼゼロであることから、かつては結構な割合で見受けられたノートパソコンを利用しての移動中の作業をする人が、今ではほぼいないことが見て取れる(類似ケースとしてタブレット型端末の操作をよく見かけるようになったが)。

携帯電話も平日であることから、自宅での利用が長い。若年層ほど利用時間が長いのは、単に利用者における利用時間の長さだけでなく、利用率の高さも影響している。また移動中の利用は20代が一番長くなっている。

これが休日になると小さからぬ変化を見せる。縦軸の区切りの単位が平日とは異なっていることに注意。

↑ 主要機器によるインターネット利用時間と利用場所(休日、機種別・年齢階層別、分)(2019年)
↑ 主要機器によるインターネット利用時間と利用場所(休日、機種別・年齢階層別、分)(2019年)

パソコンの利用時間は平日より長い。また休日でも職場で利用している動きがわずかに見受けられるが、これは休日出勤の実情が見て取れる。たまたま調査日に出勤したと思いたいが、日常化している人も中にはいるのだろう。

興味深いのは携帯電話の動向。平日だけでなく休日でも圧倒的に自宅における利用が多い。携帯電話は機動力の高さが買われて利用されているはずだが、実態としては自宅での利用が多分に及んでいることが分かる。機動力が高く移動中や移動先で使えるから、ではなく、移動中や移動先「でも」使えるから、携帯電話は評価されているのが実情のようだ(あるいは長時間の利用ではなく、断続的に、絶え間なく移動中に利用しているため、利用時間としてはカウントされにくいのだろうか)。

機動力の高さは「自宅内での」運用のし易さとの点で特に重宝されている、そう考えると今結果も納得ができる。あるいは自宅内での利用は、単に電池切れを恐れての結果かもしれないが。

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※令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2020年1月14日から1月19日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォータサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳の1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが確認できるが、これについて報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。