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旅行、テレビ、読書…シニアの今の楽しみをさぐる(2020年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ シニアの最大の楽しみは旅行。(写真:アフロ)

消費動向や生活様式の観点で注目されているシニア世代(今件では50~79歳を対象とする)。その人達は今、何を楽しみにしているのだろうか。ソニー生命保険が2020年9月に発表した「シニアの生活意識調査2020」(※)の調査結果報告書から確認する。

次に示すのは回答者が現在楽しみとしていることを複数回答で答えてもらったもの。

↑ 現在の楽しみ(複数回答、上位陣)(2020年)
↑ 現在の楽しみ(複数回答、上位陣)(2020年)

トップには旅行がついた。4割強の人が「今の楽しみは旅行」と考えている。シニアにとっては、普段とは異なる場所に足を運んで非日常的な体験、今までにない体験をすることに大きな喜びを覚えるのだろう。

次いで高い回答値を示したのはテレビ/ドラマで34.6%。旅行とは異なり、テレビ放送受信機があればいつでもテレビやドラマを堪能できる。有料放送で無ければほぼ無料で観れるのもポイントだろうか。似たような項目としては第6位に映画が入っている。一方で映像を楽しむとの観点では同じ経験ができるはずの、インターネットによる動画観賞が上位に入っていないのを見ると(今件はインターネット調査であるにもかかわらず)、シニアはインターネットで何かを楽しむのには積極的ではないように見える。

さらに読書、グルメ、健康と続くが、対人関係の項目となる子供/孫は第7位、パートナーは第9位に留まっている。

これを回答者の男女別で区分し直すと次の通りとなる。男女それぞれの特性が現れているようで興味深い。

↑ 現在の楽しみ(複数回答、上位陣、男女別)(2020年)
↑ 現在の楽しみ(複数回答、上位陣、男女別)(2020年)

複数回答であることを考慮すると、男性よりも女性の方が楽しみにしている項目が多いように見受けられる。上位陣で男性の方が値が上なのは、旅行とパートナーとスポーツのみ。旅行は男女でほとんど変わりがない人気ぶりだが、他の項目は少なからぬ差が出ている。特にテレビ/ドラマは女性が、スポーツは男性が突出しているのがうかがえる。

男性ではスポーツは女性の2倍以上の値を示しているが、一方で健康は女性より下であることを考えると、項目中のスポーツは健康維持のため自分で行うものというより、観賞対象の意味合いが強いのかもしれない。

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※シニアの生活意識調査2020

同調査は2020年8月3~4日にかけてインターネット経由で50~79歳の男女に対して行われたもので、有効回答数は1000人。男女・年齢階層(50代と60代・70代の2区分)で均等割り当て。調査協力会社はネットエイジア。

調査結果からは回答者全員がスマートフォンを利用していることが確認でき、多分にスマートフォン利用者を調査対象母集団としていることがうかがえる。そのため、社会全体の実情とはいわゆるデジタルデバイドが生じていることに加え、実際の人口構成比とは異なることに注意が必要。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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