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アメリカ合衆国が抱く日本のイメージをさぐる(2020年公開版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 日本食も日本文化の一つ。興味を持たれているのか否か。(写真:アフロ)

インターネットで情報が容易に手に入るようになったとはいえ、他国の実情を正確に把握するのは難しい。アメリカ合衆国の人達は日本にどのようなイメージを抱いているのだろうか。その実情を外務省が2020年3月に発表した「米国における対日世論調査」(※)の結果から確認する。

日本に対するイメージとして、アメリカ合衆国の一般人はどのような姿を頭に描いているのだろうか。主要選択肢を用意し、それに同意できるか否かで答えてもらった結果が次のグラフ。「豊かな伝統と文化を持つ」が6割強、それ以外に「経済力・技術力が高い」「自然が美しい」と、合わせて3項目が半数を超えている。

↑ 日本に対するイメージ(一般人、複数回答)(2019年度)
↑ 日本に対するイメージ(一般人、複数回答)(2019年度)

次いで「アニメ・ファッション・料理など新しい文化を発信」「生活水準が高い」が続く。「保守的で閉鎖的」「理解が難しい」「軍事的」「警戒を要する」などのネガティブな回答はさほど多くない。

それでは日本文化のどのような点に興味があるのか。日本文化において代表的な項目を挙げ、それらについて関心があるか否かを聞いた結果が次のグラフ。トップには「日本食」がついている。

↑ 日本文化のどれに関心があるか(一般人、複数回答)(2019年度)
↑ 日本文化のどれに関心があるか(一般人、複数回答)(2019年度)

再現度は別にしても日本食がアメリカ合衆国にも浸透していることが、関心度の高さを裏付けるとともに、底上げの役を担っていると考えられる。意外なのは、アニメや漫画よりもむしろ、盆栽や茶道のような、日本古来の娯楽に高い関心が集まっていること、そしてアニメ、ゲームや漫画などの値が低い点。

日本の対外アピールを考慮・考察する際には、日本人からの視点では無く、今件のような海外からの視点を検証材料とする必要がある。さもなくば、的外れなプロモーションをするリスクが生じることになろう。

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※米国における対日世論調査

直近分は外務省がハリス社に委託し、アメリカ合衆国内において電話により2019年11月に実施されたもので、有効回答数は一般人1015人(18歳以上)・有識者200人(政官財、学術、マスコミ、宗教、労働関係などで指導的立場にある人物)。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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