単身世帯と二人以上世帯で違いはあるのか否か…外食の利用性向をさぐる(2020年公開版)

↑ 調理も片付けもしなくて済む、お手軽なお食事、外食。(写真:アフロ)

外食利用は月に単身世帯で8.6回・二人以上世帯7.5回

食のアウトソーシングとの観点では便利で合理的な外食。最近では中食に押され気味との話もあるが、有意義な食生活の一様式に違いない。その外食の利用性向に関し、世帯種類別の違いも合わせての実情を、総務省統計局による家計調査の結果(年次分は2019年分が最新)から確認する。

二人以上世帯の場合は外食の下層区分に一般外食と学校給食が存在する(単身世帯は外食のみ。世帯主本人が学校給食を摂るケースは想定し難い)。そこで今回は一般外食に限定する(今記事のグラフでは表記を「一般外食」に統一する)。さらにはその下層区分に含まれるハンバーガーや他の主食的外食を代表的な細部項目として取り上げる。具体的な内容は次の通り。

・一般外食…飲食店における飲食。飲食店(宅配すし・ピザを含む)により提供された飲食物は、出前、宅配、持ち帰りの別にかかわらず、すべて含まれる。ただし学校給食やまかないは除く。

・ハンバーガー…セットも含む。ファストフード店に限る。

・他の主食的外食…そば、うどん、ラーメン、パスタ、寿司、和食・中華・洋食各種、ハンバーガー「以外」の外食。例えばドーナツセット、お好み焼き、ピザパイ、お子様ランチ、会社での食事代。ファミレスでの食事も該当する。

まずは月あたりの世帯購入頻度(※)。単身世帯は当然本人自身のみだが、二人以上世帯の場合は夫か妻の片方どちらか、さらには子供が購入しても(子供の小遣いでの調達までは「家計」として計上できないので、「世帯全体のお財布から買った」もののみ)購入した世帯として該当することになる。

↑ 外食全般と主要品の世帯購入頻度(月あたり、世帯種類別)(2019年)
↑ 外食全般と主要品の世帯購入頻度(月あたり、世帯種類別)(2019年)

月あたり単身世帯は平均で8.6回、二人以上世帯は7.5回ほど(一般)外食を利用している。上記説明にもある通り、実質的には宅配、中食(的なもの)も含まれるので、感覚的にはあながち的外れでもあるまい。外食総計や他の主食的外食の利用頻度は単身世帯の方が多く、一人暮らしの食生活事情が透けて見える。

ハンバーガーは月ベースで0.2~0.4回程度と少なめな値。しかし今件は単身世帯全体二人以上世帯全体における結果であり、若年層だけで無く高齢世帯も含まれていることを思い返せば、理解はできる。

前年比を算出すると次の通りとなる。

↑ 外食全般と主要品の世帯購入頻度(前年比、世帯種類別、ppt)(2019年)
↑ 外食全般と主要品の世帯購入頻度(前年比、世帯種類別、ppt)(2019年)

前回年となる2018年の値と比較すると、単身世帯の他の主食的外食以外はすべて増加。ハンバーガーのような個別区分の増加度合いがあまり大きくないことから、特に二人以上世帯において多様なスタイルで外食が増え、外食全体としての値が大きく増えたことが考えられる。

支出金額ベースで確認

これを支出金額ベースで見たのが次のグラフ。一応二人以上世帯では比較のために一人あたりの値も試算して、グラフを併記しておく。「一応」としたのは人数のカウントには子供も含まれるため、それを合わせた上での平均化の値は、成人が対象となる単身世帯とは、厳密な上での比較はできないからである。

↑ 外食全般と主要品の支出金額(月あたり、世帯種類別、円)(2019年)
↑ 外食全般と主要品の支出金額(月あたり、世帯種類別、円)(2019年)
↑ 外食全般と主要品の支出金額(月あたり・一人あたり、世帯種類別、円)(2019年)
↑ 外食全般と主要品の支出金額(月あたり・一人あたり、世帯種類別、円)(2019年)

世帯ベースでは一般外食は二人以上世帯と単身世帯でさほど違いは無いが、ハンバーガーや他の主食的外食は二人以上世帯の方が高い値を示している。しかし一人あたりの金額で比較すると、すべての区分で単身世帯の方が高い値となる。いかに単身世帯の食生活が外食(中食含む)に支えられているか、その少なからずが他の主食的外食、具体的にはファミレスなどによるものなのかが分かる。また、ハンバーガーは世帯全体としては、まだその他の食品レベルの頻度でしか食べられていないようだ。

前回年となる2018年からの変移は次の通り。

↑ 外食全般と主要品の支出金額(前年比、月あたり、世帯種類別、円)(2019年)
↑ 外食全般と主要品の支出金額(前年比、月あたり、世帯種類別、円)(2019年)

世帯種類を問わず、取り上げた区分すべてで増加を果たしている。世帯購入頻度では単身世帯よりも二人以上世帯の方が増加度合いが上だったが、支出金額では単身世帯の方が上のため、単身世帯は二人以上世帯よりも単価の高い外食・中食へのアプローチに積極的なようだ。

外食の利用機会、支出金額が増加しているのは、中食の利用拡大と併せ、食事のアウトソージングの傾向が強まっていると考えてよいのだろう。時間や手間を対価で手に入れる手法が外食なり中食であるというまでの話ではある。外食産業各方面の関連する項目の動きも合わせ、今後も注目したいところだ。

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※世帯購入頻度

世帯単位での該当期間の購入頻度。例えば特定の世帯において該当期間に誰かが2回雑誌を購入すれば、その世帯における雑誌の世帯購入頻度は200%になる。非購入世帯も含めての計算であることに注意。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。