諸国におけるニュース取得目的のインターネットニュースやSNSの閲覧実情をさぐる(2020年公開版)

↑ スマートフォン片手にニュースを確認。(写真:アフロ)

諸外国のインターネットニュースやSNSを見る人たちの実情

インターネットの普及で情報の伝達や取得、検索や精査の概念は大きな変化の中にある。特に恩恵を受けたのがニュース分野で、また意思疎通ツールとして普及したSNS(ソーシャルメディア)でも多数のニュースが日々流れている。人々はどれほどインターネットニュースやSNSを見ているのか、そしてどのような端末を利用しているのか。今回は新聞通信調査会が2020年3月までに発表した、アメリカ合衆国やイギリス、フランス、中国、韓国、タイへのメディアに関する世論調査「諸外国における対日メディア世論調査」(※)の内容から、その実情を確認する。

次に示すのは調査対象母集団のうちインターネットのニュースやSNS(ソーシャルメディア)を見る人の割合。設問では「あなたは、インターネットのニュースやSNS(Facebook、Twitterなど)を見る時に、何を使いますか(回答はいくつでも)」とあり、選択肢には「パソコン」「スマートフォン・携帯電話」「タブレット(例:iPad)」「その他」が用意されている。その結果において一つ以上の選択肢に回答した人の割合を示したもの。SNSはニュースだけが流れているわけではないが、ニュースを広域解釈して「新しい情報」と認識した場合、SNS上の情報は大体ニュースとなるとの発想によるものだろう。

なお日本の値は2019年に同様の条件下で実施された調査「メディアに関する全国世論調査」(※※)の値が参考として示されており、厳密には比較対象とはなり得ない。あくまでも参考値であることに注意が必要。また中国では70歳以上には問い合わせていないので回答値が空欄となっている。

↑ インターネットのニュースやSNSを見る(2020年)
↑ インターネットのニュースやSNSを見る(2020年)

国によって値に差異があるが、傾向としては女性よりも男性が高く、若年層が高めで年上になるに連れて値は落ちていく。他方、イギリスでは意外と全体的に値が他国よりも低いことなどがうかがえる。もっともイギリスが低めなのは、他の設問同様「無回答」が多めで、今件の回答値そのものを圧迫しているのだろう。

中国は都市部限定の調査ではあるが、面接方式による調査でここまでの高い値を示しており、大いに注目に値する。情報取得への意欲は非常に高い。

パソコンと携帯電話、その違い

続いてパソコンと携帯電話(スマートフォンと従来型携帯電話双方)それぞれにおける、インターネットニュースやSNSの閲覧状況を確認する。普段のインターネット利用スタイルで何を使っているかが透けて見えてくる。

まずはパソコン。次のスマートフォンや従来型携帯電話のグラフと縦軸の区分は同じにしてある。

↑ インターネットのニュースやSNSを見る(パソコンで見る)(2020年)
↑ インターネットのニュースやSNSを見る(パソコンで見る)(2020年)

男女別では男性の方が高い。韓国や日本では非常に大きな差が出ている。年齢階層別ではアメリカ合衆国、イギリスのように若年層ほど高い国もあれば、日本のように40~60代の方が高いところもある。そして全体としては中国の値の高さとアメリカ合衆国やフランスがそれに追随している実情が確認できる。それぞれの国のパソコン普及事情が見えてくるようだ。

続いてスマートフォンや従来型携帯電話。

↑ インターネットのニュースやSNSを見る(スマートフォンや従来型携帯電話で見る)(2020年)
↑ インターネットのニュースやSNSを見る(スマートフォンや従来型携帯電話で見る)(2020年)

パソコンと比べて高い値が各国で示されている一方、よく見ると年齢階層による差異が大きいのも分かる。端末を利用しているか否かの違いが反映されているのに加え、所有していてもニュースやSNSを利用する・しないの行動性向も影響しているのだろう。

当然、若年層の方が値は高く、高齢層ほど低くなる。その差異は極めて大きい。見方を変えれば年齢階層別に見たモバイルで情報を得る行動の浸透度合いの一つの指標ともいえる。そうであればこそ、中国が属性にさほど左右されることなく高い値が維持されていることは、注視すべき結果には違いない。何しろ60代ですら62.8%の人がスマートフォンや従来型携帯電話でニュースを見ていると回答しているのだから。

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※諸外国における対日メディア世論調査

直近発表分はアメリカ合衆国、イギリス、フランス、中国、韓国、タイに対し、2019年11月から12月に行われたもので、アメリカ合衆国・フランス・韓国は電話調査、イギリス・中国・タイでは面接調査で実施されている。調査地域は中国・タイは都市圏、それ以外は全国。回収サンプル数は各国約1000件。グラフの年数表記は調査結果の発表年で統一している。過去の調査もほぼ同様の調査スタイル。

※※メディアに関する全国世論調査

直近分は2019年8月23日から9月10日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3051人。有効回答者の属性は男性1467人・女性1584人、18~19歳58人・20代296人・30代390人・40代540人・50代490人・60代538人・70代以上739人。過去の調査もほぼ同様の調査スタイル。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。