高齢者と居住住宅の種類の関係をさぐる(2020年公開版)

↑ マンション住まいをする高齢者だけの世帯。色々とあるパターンの一つ。(写真:アフロ)

高齢者はどのような住宅に住んでいるのか、世帯構成の実情と合わせ総務省統計局が2019年4月に発表した、2018年時点における住宅・土地統計調査の確定集計結果から確認をする。

最初は世帯に高齢者がいるかいないかで区分した世帯構成の実情。2018年時点では大体6割は高齢者がいない世帯。逆にいえば4割近くは高齢者がいる、あるいは高齢者だけの世帯となる。

↑ 高齢者との関係別・世帯数比率(万世帯)(2018年)
↑ 高齢者との関係別・世帯数比率(万世帯)(2018年)

高齢者がいる世帯となる赤系統色部分だけで計算し直すと、高齢単身世帯が高齢者がいる世帯全体に占める比率は28.3%。全世帯比でも11.9%と1割強となる。単身ではないが高齢者のみの世帯12.1%と合わせると、「4世帯のうち1世帯近くは高齢者のみの世帯」との計算になる(「高齢者のいるその他の世帯」とは二世代・三世代などの世帯)。

そして次に示すのは、これら高齢者のいる世帯における詳細の状況別に、それぞれどのようなスタイルの住居に住んでいるかを示したもの。特に高齢単身世帯では公開借家住まいの比率が高いのが分かる。

↑ 住宅の所有関係別世帯数構成比(高齢者のいる世帯における世帯種類別)(2018年)
↑ 住宅の所有関係別世帯数構成比(高齢者のいる世帯における世帯種類別)(2018年)

高齢者がいる世帯では夫婦世帯あるいは二世代・三世代世帯で8割台の持家率が確認できる一方、高齢者単身世帯では2/3ほどに留まっている。そして1/3強が賃貸住宅暮らし。金銭的に余裕のある高齢者自身や、その支えで持家を取得する事例が多いことがうかがえるとともに、一人暮らしの高齢者では持家住まいが案外少ない実情が確認できる。

公営借家に限定して高齢者にスポットライトを当てる形で世帯区分を見ると、世帯全体(今記事一つ目のグラフ)と比べて一人暮らしの高齢者比率が高めなのが改めて確認できる。

↑ 高齢者との関係別・世帯数比率(公営借家、万世帯)(2018年)
↑ 高齢者との関係別・世帯数比率(公営借家、万世帯)(2018年)

公営借家では5割台後半の世帯に高齢者がいて、そのうち半分以上・全体比では3割近くが高齢単身世帯。あくまでも全国における平均値だが、今回の調査結果からはそのような結果が導き出される。公営借家に多くの高齢者、そして中でも単身の高齢者が住んでいることが把握できる。

この状況は公営住宅における買物困難者や節電への対応に伴う冷暖房と高齢者の健康リスクなど、今後発生しうる高齢者問題において、少なからずの問題が公営借家で起きる可能性を示唆するものとなる。場所そのもののよし悪しとの問題ではなく、警戒あるいは状況改善施策の重点エリアとしての認識が必要だろう。

■関連記事:

新築・既存ともに物件増加、特に既存物件が大きく増加…賃貸住宅会社の物件の増減をグラフ化してみる(2019年12月発表分)(最新)

半世紀以上にわたる民間・公営賃貸住宅の家賃の変遷をさぐる(2019年公開版)

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。