「入居者1回入れ替え」が最多…心理的瑕疵の影響期間をさぐる(2019年12月発表版)

↑ 心理的瑕疵の告知をするか否か。判断は状況によりけり(素材:ダ鳥獣ギ画)。

賃貸住宅を探す時に重要なチェック項目として心理的瑕疵物件か否かとの問題がある。物件に関して心理的瑕疵を告知しなければならないとする期間について、賃貸住宅業界ではどのような考えを持っているのだろうか。賃貸住宅管理会社による協会「日本賃貸住宅管理協会」の調査「賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)」(※)の結果から確認する。

次に示すのは当該物件において何らかの心理的瑕疵に該当すると判断される事案があった場合、いつまで重要事項説明(売買や賃貸契約の前に買い手・借り手側に行わねばならないと法的に定められている説明)においてそれを説明しなければならないと考えているかを答えてもらった結果。例えば全国において35.1%は「入居者1回入れ替え」と回答しているが、これは当該物件で居住者が自殺をして心理的瑕疵に該当すると判断した場合、その後に一度借主が入居した上で退室すれば、次からは重要事項説明の際に心理的瑕疵を説明しないとするもの。つまり「この物件では前の前の居住者が自殺で亡くなっています」と重要事項説明では行わない。

↑ 心理的瑕疵物件における重要事項説明での告知期間(2019年上期)
↑ 心理的瑕疵物件における重要事項説明での告知期間(2019年上期)

1回ではなく2回入れ替えまでは説明の必要があるとの判断は14.9%、3回以上は3.0%と少数。入れ替え回数ではなく一定年数とするものは11.2%。何回入れ替えがあっても、何年経過しても半永久的に説明をするとの意見は14.9%。一方で認知度合いなどで変動するとの意見は9.7%。

地域別では首都圏は一定年数の意見がやや多いが、関西圏では2回入れ替えまでは説明するとの意見が35.7%と最多回答値となっている。他方、首都圏・関西圏以外では1回入れ替えが4割近くある一方で、半永久的とする意見が2割近くと高めの値なのが目に留まる。

自由記入欄での意見としては「内容次第で期間設定」「自殺は数回、他殺は半永久的」「原則1回、認知度などで変更」「弁護士に相談」などがある。また総論として地域ごとにばらつきがあり一概には言えないこと、10年以上が経過しても風評が消えず説明の必要性が生じるなどのケースを挙げている。インターネット上でこの類の情報の共有化が進む昨今では、状況次第で風評が固定化することもあり得よう。

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※賃貸住宅市場景況感調査(日管協短観)

日本賃貸住宅管理協会会員に対して半年ごとに定期的に行われている調査で、直近は2019年10~12月にインターネットを用いて実施。有効回答数は169社(回収率13.2%)。2019年4月1日から2019年9月30日に関する状況についての回答。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。