高校生では2割近くが「現在むし歯あり」…子供達のむし歯の現状をさぐる(2020年公開版)

↑ 歯医者での治療は大変な苦痛。むし歯にならないようにするのが一番なのだが。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

基本的には該当部分を削るしか治療方法が無い、そして放置しておくと状況は悪化し痛みが増すばかりで、多くの人には苦痛に他ならないのがむし歯。子供達は特にむし歯が多そうに見えるが、実情はどうなのだろうか。子供達のむし歯の現状を文部科学省が2019年12月に発表した「学校保健統計調査」の内容から確認する。

まずは学校種類別の比率。「処置完了」はむし歯を持っていたがすでに治療が終了した人。「未処理歯有」は未だ治療していない、あるいは治療中のむし歯がある人を指す。例えば幼稚園では全体の12.00%が「むし歯だった」、19.15%が「現在むし歯持ち」となる。

↑ むし歯の人の割合(学校種類別)(2019年度)
↑ むし歯の人の割合(学校種類別)(2019年度)

興味深い動きとしては、中学校で一度むし歯率が減少する傾向が確認できる。これは後述の年齢別で明確に判断できる数字が出てくるが、理由としては「乳歯が永久歯に入れ替わる過程で、むし歯・処置完了の歯もろとも抜けてしまった」が考えられる。実際、今回発表の報告書でもその可能性を示唆しており(「10歳から12歳において割合が減少するのは、乳歯が生え替わることが影響していると考えられる」と記載されている)、道理の通る解説ではある。

続いてこれを年齢別に細分化した上で確認したのが、次のグラフ。

↑ むし歯の人の割合(年齢階層別)(2019年度)
↑ むし歯の人の割合(年齢階層別)(2019年度)

10~12歳まではむし歯率が明らかに減少する。これは前述したように、乳歯から永久歯に生え替わる過程で、むし歯まで一緒に抜けてしまうのが主要因。しかしせっかく歯の生え替わりで下がったむし歯率も、17歳までにはほぼ元に戻ってしまう。そして一度生えた永久歯を乳歯の時と同じように抜いてしまうと、再び生えてくることは無いので、「むし歯だから」との理由だけで抜くのは躊躇してしまう(無論治療の最終手段として「抜く」選択肢は存在しうるが、生え替わりは無い)。

最後に男女別で現状を確認する。

↑ むし歯の人の割合(男女別・学校種類別)(2019年度)
↑ むし歯の人の割合(男女別・学校種類別)(2019年度)

小学校までは男性の方がむし歯率が高いが、中学校以降はむしろ女性の方が高くなる。中学生以降は男性より女性の方が成長が早いことで知られているが、それが要因なのだろう(つまり「乳歯から永久歯への生え替わりの際に、むし歯ごと抜いてしまう」究極の対策カードを早めに使い果たしてしまう)。

あるいは食生活上で甘いモノ好きの特性が中学生以降、女子に顕著に表れるのかもしれないが、今データからだけではその判断は不可能である。ただ、トリビア的に覚えておくと、ちょっとだけ得した気分になれる。もちろん、むし歯そのものは無い方がよいのだが。

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