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2020年の新成人は122万人・前年比で3万人減

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
↑ 成人の日の華やかさはいつも通り。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

・2020年1月1日時点で子(ね)年生まれの人口は1062万人、新成人の人口は122万人。新成人の数は前年2019年と比べて3万人の減。

・新成人の総人口比は0.97%。

・新成人の数はおおよそ減少中。

新成人は122万人、前年と比較して3万人の減

総務省統計局は2019年12月31日、2020年1月1日現在における「子(ね)年生まれ」の人口と「新成人」の人口の推計データを発表した。それによると子(ね)年生まれの人口は1062万人で、新成人の人口は122万人との推計となり、新成人の数は前年2019年と比べると3万人の減少となった。

2020年の新成人(2019年中に成人に達した人、2020年1月1日現在20歳)の人口は122万人だが、内訳としては男性63万人、女性59万人で、男性は女性より4万人多い。

↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在)
↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在、2001年以降)
↑ 新成人人口(万人)(各年1月1日現在、2001年以降)

新成人の人口推移を見ると、グラフ左側に位置する1970年が一番多い。これは第一次ベビーブーム世代が成人に達したのが原因。その後減少を続けているが、1980年以降再び増加に転じ、第二次ベビーブーム世代の人が成人に達する1995年前後にピークを見せる。その後減少傾向を再開し、今はそれが継続中の状態にある。

今回発表された2020年の新成人122万人は、データが残っている範囲では過去最低値を記録した2014年・2016年におけるの121万人からは1万人多い。水準的には2012~2013年(122万人)と同じ値となる。新成人の総人口比は0.97%となり、昨年同様に総人口比で1%未満(2つ目のグラフで確認できるが、10年連続の状況)は継続中。

グラフ上、1987年に大きなへこみが生じているのが目に留まる。これは昭和41年・丙午(ひのえうま)年生まれの人が成人した年。いわゆる「丙午信仰・迷信」により出産数が極端に少なかったことに起因するもの。これが主な原因で、十二支では丙午生まれの人口がもっとも少なくなっている。このように視覚化すると、ここまではっきりとした動向が確認できる次第である。歴史的事実として覚えておくとよいだろう。

子年生まれは1062万人

2020年は子年。その子生まれの人口は全年齢合わせて1062万人で、そのうち男性は516万人・女性は546万人。総人口1億2604万人に占める比率は8.4%。出生年別に見ると、2020年中に72歳になる昭和23年(1948年)生まれの人が209万人でもっとも多い。次いで多いのは昭和47年(1972年)生まれの人で200万人。また子生まれの人口は十二支の中では3番目に多い人数となっている。もっとも多いのは亥(い)年生まれで1135万人。

↑ 子(ね)年生まれの人口(男女別・出生年別、万人)
↑ 子(ね)年生まれの人口(男女別・出生年別、万人)

2020年は子年の中でも庚子(かのえね、こうし)に該当する。庚は「変わる、転身」の意味、子は「始まりや成長、賢さ」を意味する。このことから現状から転身し、新規に何かを始めることが吉であるとされている。また陰陽五行説では相生(お互いを活かす関係)の性質に位置付けられており、庚は金に、子は水に属することから金生水と呼ばれ、金が溶けて水になる(金の表面に水が凝結して生み出される)・水が金を掘り起こす意味があるとされている。

前回の庚子にあたる1960年では、世界的な出来事としてはアスワン・ハイ・ダムの建設が始まり、フランスが核実験を行い第4の核保有国となり、U-2撃墜事件が発生。ソ連のスプートニク5号が世界初の宇宙からの生物帰還を果たし、ローマオリンピックが開催。OECDやOPECが結成され、アメリカ合衆国大統領選挙史上初のテレビ討論が実施。またアフリカ大陸では多数の国が独立し「アフリカの年」と呼ばれている。日本では日米相互協力及び安全保障条約が調印され、タカラが「ダッコちゃん」を発売。ソニーが世界初のトランジスタテレビを発売し、安保闘争でハガチー事件、さらには全学連の国会突入事件が発生。池田首相におよる所得倍増計画が発表された。

2020年もまた、国内外を問わず歴史の転換点となる多くの決断が行われ、波乱に富んだ事象が生じるのだろう。また、新しい物事も多数生まれるに違いない。

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「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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