インターネットでのニュースの閲覧実情をさぐる(2019年公開版)

↑ インターネットを使ったニュース閲覧は当たり前?(写真:アフロ)

紙媒体による新聞の需要が減少する大きな原因として、代替媒体となるインターネットが普及し、多くのニュースが配信される状況が挙げられる。インターネット上で多様なニュースを含む情報が取得できるので、わざわざ新聞を買わなくともよい、とするものだ。新聞社自身も一部分ではあるが、自紙に掲載しているニュースをインターネット上に配信していることもあり、複雑な想いを抱いていることだろう。今回は新聞通信調査会が2019年11月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の結果を基に、インターネットによるニュースの閲覧状況を確認する。

調査対象母集団全体(インターネット利用者に限らず)に、インターネット上のニュース(特に定義は無いので、回答者が「ニュース」と判断できる情報はすべて。また文章に限らず、図面や動画も含む)を閲覧するか否か、閲覧するのならどの程度の頻度かを聞いた結果が次のグラフ。42.8%が毎日閲覧していると回答した。他方「見ない」との回答は31.2%。

↑ インターネットニュースの閲覧頻度
↑ インターネットニュースの閲覧頻度

直近年度において週一以上の頻度を算出すると64.7%。2/3近くの人が見ている計算になる。最近では新聞社やテレビ局の公式サイトだけでなく、ポータルサイトや主要ソーシャルメディアでもコンテンツの一つとして通信社経由のニュースを転載の形で配信しており、さらに新聞社などが公式のアカウントを取得してソーシャルメディア上で速報などを流している(この場合はニュースサイトには該当しない)。目に留める機会が増えれば、当然気になって読んでしまう人も増えることになる。「見ない」はあえて読まない人に加え、インターネットそのものを利用していない人も多分に含むと考えてよいが、全体から見た閲覧率はそれなりに高いと見てよいだろう。

これを属性別に区分し、毎日見る人、そして頻度はともあれ見る人の状況を確認したのが次のグラフ。インターネットそのものの利用傾向も、大きく影響することに注意が必要となる。

↑ インターネットニュースの閲覧状況(見る人合計、属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(見る人合計、属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(毎日見る人、属性別)
↑ インターネットニュースの閲覧状況(毎日見る人、属性別)

ともあれ目を通す人は2/3強。男女別では男性が3.1%ポイント高く、年齢階層別では50代までが8割以上、60代以降になると急激に値は落ちるが、60代でもまだ5割を超える。おおよそインターネットそのものの利用傾向に比例していると見てよいだろう。

他方毎日見る人となると全体では4割強に留まる。年齢階層別では10代もあまり多くは無く4割強、30-40代が6割台でボリュームゾーン、50代以降は減少していく。インターネットの利用傾向に加え、ニュースそのものの必要性、さらにはインターネットでニュースを取得する行動への慣れなどが大きく影響しているものと考えられる。

そしてここ数年の変移だが、傾向だった動きを見出すのは難しい。一部属性、特に若年層で「見る人合計」「毎日」の値が停滞気味、さらには減少の動きをしているように見える程度か(2018年度の大きな減少はイレギュラーの可能性がある)。これは口コミレベルの情報を「インターネットニュース」とは認識していない可能性がある。

つまりニュースと認識される情報はFacebookやツイッター、LINE、mixiのようなソーシャルメディアで口コミスタイルによるダイジェスト的なもの(電車内の中吊り広告レベル)を取得しており、日々の情報はそれで十分とするものだ。あるいは友人・知人からの伝聞で満足してしまう。気になるニュースがあれば、それらの口コミからリンクをたどってニュースとしての記事で確認するが、それほど深い関心を持つものはさほどないため、その機会はあまり無くなる。結果として、ニュースサイトを使って明確に「自分はインターネットニュースを閲覧している」と認識している人が多かった以前と比べ、ソーシャルメディアの普及が進んでいる現状では、毎日の頻度の人の割合は減ってしまう次第である。

今件調査ではソーシャルメディアの利用傾向、ソーシャルメディアとニュースの関係については調査項目が無いので確認ができないものの、ソーシャルメディアのタイムライン上の情報を「インターネットニュース」として認識しているか否かも併せ、興味深い話には違いない。

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※メディアに関する世論調査

直近分となる第12回は2019年8月23日から9月10日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3051人。有効回答者の属性は男性1467人・女性1584人、18~19歳58人・20代296人・30代390人・40代540人・50代490人・60代538人・70代以上739人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。