新聞1番、NHKテレビが2番…メディアへの信頼度をさぐる(2019年公開版)

↑ 新聞やテレビに寄せられる信頼の度合いは?(写真:アフロ)

多様なメディアに囲まれた日常生活。各メディアからの情報を人々はどこまで信頼しているのか。主要メディアへの信頼度の実情を財団法人新聞通信調査会が2019年11月に発表した「メディアに関する世論調査」(※)の報告書から確認する。

主要メディアとしてNHKテレビ、新聞、民放テレビ、ラジオ、インターネット、雑誌を提示し、それぞれのメディアの情報をどの程度信頼しているかについて、「全面的に信頼…100点」「まったく信頼していない…0点」「普通…50点」の基準のもとに点数をつけてもらったところ、平均点がもっとも高かったのは新聞で、68.9点となった。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2019年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)(2019年度)

実情はともかく情報に関して信頼されているか否かの点では、新聞が今なお高い信頼を受けているのが分かる。

新聞に続くNHKテレビは68.5点とほぼ同じ値。そして民放テレビが62.9点と続く。同じテレビでも民放テレビはNHKテレビと比べて5.6点も低い値に留まっており、情報の信頼性における両者の違いを改めて実感させられる。

新聞、NHKテレビ、民放テレビの後にはラジオ、インターネット、雑誌と続くが、インターネットと雑誌は50点未満。50点が「普通」の基準なので、インターネットと雑誌は情報全般に関して信頼されていないことになる。

これを属性別に見たのが次のグラフ。おおよそ順位に違いは無いが、各属性における特徴が表れる形となった。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2019年度)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点、属性別)(2019年度)

年が上になるに連れて各メディアへの信頼度もおおよそ上昇するが、雑誌やインターネットは逆に下がる。そのため、テレビや新聞との差が大きく開くことになる。高齢層はテレビや新聞を信奉し、インターネットや雑誌を軽んじる傾向があることが複数の調査結果から知られているが、それが裏付けられる形となっている。

他方若年層はNHK・民放問わずテレビの値がいくぶん低めで、インターネットへの信頼度が高い。

最後に経年推移。今調査は2008年度から開始されているため、都合12回分の動向が確認できる。

↑ 各メディアの信頼度(100点満点)
↑ 各メディアの信頼度(100点満点)

震災が発生した2011年3月以降初となる調査は2011年度分(2011年9月実施)だが、その際のラジオの値が有意に上昇しており、震災報道でラジオが権威を回復したことが分かる。またNHKテレビも同様の動きを示している。他方民放テレビ、インターネット、雑誌は大きな下落が見受けられ、震災報道により信頼度を落としてしまっていることが分かる。

中期的な動きを見ると、いずれのメディアも信頼度を漸減しているが、2016年度以降は新聞がほぼ横ばいの動きになったようにも見える。NHKテレビは同じようなタイミングで似た動きを示していたが、2019年度で大きく下落し、記録の限りでは初めて新聞と順位を入れ替わる事態となった。

民放テレビはここ1、2年で大きく持ち直している。これまでラジオに対しぎりぎりな形で上位についていたが、この持ち直しで大きな余裕ができた形となる。

テレビや新聞はそれ自身が配信側の業界・集団的なモノを意味する一方で、インターネットは多分にツールでしかなく、「インターネット」との名前の配信社が存在するわけではない点に注意する必要がある。信頼性は多分に情報の発信元に関する問題であり、新聞やテレビ、ラジオはほぼそのままイコールとなるが、インターネットや雑誌はツールとしての意味合いが強い。

今件の信頼度のうちインターネットや雑誌は、玉石混淆な全体の状態を評価したものと考えられる。インターネットの情報すべてが信頼度の上で低いとの認識は、実態とはズレがあることを指摘しておく。ある特定の車種の自動車に大きな欠陥が見つかったとしても、自動車全体が欠陥品ではないのと同じである。

何しろ信頼度の高いNHKテレビや新聞社ですら、それぞれの媒体で提供している内容と同じ情報を、インターネット経由でも配信しているのだから。

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震災時のデマ情報の浸透とその打ち消し情報の広まりをグラフ化してみる(2011年版情報通信白書より)

※メディアに関する世論調査

直近分となる第12回は2019年8月23日から9月10日にかけて住民基本台帳からの層化二段無作為抽出法によって抽出された18歳以上の男女個人5000人に対して、専門調査員による訪問留置法によって行われたもので、有効回答数は3051人。有効回答者の属性は男性1467人・女性1584人、18~19歳58人・20代296人・30代390人・40代540人・50代490人・60代538人・70代以上739人。過去の調査もほぼ同じ条件で行われている。

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(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。