ガラケーとスマートフォン、それぞれの利用率の推移をさぐる(2019年公開版)

↑ ガラケーからスマートフォンへ。その実情は。(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

この数年で携帯電話のメインとなる利用機種はガラケー(従来型携帯電話)からスマートフォンへとシフトし、勢力図も多様な変化を見せている。その実情を総務省情報通信政策研究所が2019年9月に発表した「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(※)などの調査結果を基に確認する。

次以降に示すのは主要なモバイル端末である従来型携帯電話、スマートフォン、そしてその両機種の動向と密接な関係があるタブレット型端末における利用率に関して、「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」においてさかのぼれる過去のデータとなる2012年分以降、都合7年分の推移を記したもの。

まずは従来型携帯電話。なお調査票には「携帯電話(スマートフォンを除く。 PHSを含む)」とあり、厳密にはPHSも含まれる。また、スマートフォンやタブレット型端末とは別個選択肢で質問されており、複数回答形式であることから、複数種類の端末利用者の場合は、それぞれに対して「利用している」と回答するため、全項目を合わせると100%を超える属性は当然存在する。

↑ 従来型携帯電話利用状況(属性別)
↑ 従来型携帯電話利用状況(属性別)

2012年の時点では約7割の利用率を示した従来型携帯電話だが、その翌年には51.0%に急落。それ以降も漸次利用率は減少しつつある。男性よりは女性の方が、高齢層よりは若年層の方が下げ幅が大きい。また、学生・生徒や10~30代では2012~2013年に著しい減退(前年比でほぼ半減)が生じており、従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトが(両用からスマホ限定も合わせ)一気に生じたことがうかがえる。

他方50~60代、特に60代の利用率減少は緩やかではあったが、2017年以降は小さからぬ下げ幅を示している。中年層まで加速度的に進んでいたスマートフォン化の波が、50代以降にも到来した感はある。

続いてスマートフォン。

↑ スマートフォン利用状況(属性別)
↑ スマートフォン利用状況(属性別)

2012年の時点では32.0%でしかなかった利用率も、直近の2018年では87.0%と9割に届かんばかりの勢い。男女の差はほとんど無く、年齢階層別では20代はもともと高く、2012年の時点ですでに7割近く。また10~50代は2012~2013年に大きな利用率の上昇が生じており、上記の従来型携帯電話の減少と合わせ、この1年間で大移動が生じたことが分かる。

興味深いのは学生・生徒における上昇率の変化。10代や20代では2012~2013年に大きな上昇が見られたが、学生・生徒では2013~2014年において24.6%ポイントもの上昇が確認できる。同時期において爆発的な普及を示したコミュニケーション系アプリLINEが、この伸びの一翼を担ったものと推測できる。

直近年では50~60代で大きな伸びが確認できる。スマートフォン化がこの層にも本格的に進んできたようだ。

最後にタブレット型端末。こちらは上記2種端末とは縦軸の区切りを異にしている。調査票では「タブレット端末(iPad、 Nexus9、 GalaxyTab など)」とあり、また別項目では「電子書籍リーダー(Amazon の Kindle など)」の表記もあるため、回答者が誤認識しない限りは電子書籍リーダーの類は該当しない。

↑ タブレット型端末利用状況(属性別)
↑ タブレット型端末利用状況(属性別)

スマートフォンほど急速な伸び方ではないが(縦軸の区分が異なることに注意)、少しずつ、そして確実に増加の動きを示している。女性よりは男性の方が伸び方が大きかったが、2017年では女性が大きく伸び、男性を越えてしまったのが興味深い。現状では10~50代が1/3を超える利用率。60代でも1/4を超えている。

今回精査した3種端末に関する値は、現時点では7年分しか公開値が蓄積されていない。この7年間は該当端末の周辺環境が大きな変化を見せたため、非常に有意義なデータを取得できた次第ではあるが、同時に、7年分ではやや動向を推し量るのには不足している感もある。

来年以降も継続して調査が成され、各端末の値が取得されることを願いたいものだ。

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※平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

2019年2月23日から3月1日にかけて、全国125地点をランダムロケーションクォーターサンプリング(調査地点を無作為に抽出、地点ごとにサンプル数を割り当て、該当地域で調査対象者を抽出する方法)によって抽出し、訪問留置調査方式により、13~69歳を対象とする1500サンプルを対象としたもの。アンケート調査と日記式調査を同時並行で実施し、後者は平日2日・休日1日で行われている。よってグラフの表記上は「10代」だが、厳密には13~19歳を意味する。

なお今調査は例年11~12月にかけて行われるが、直近分は翌年の2~3月となっている。グラフや本文上の表記や考察は、報告書に準ずる形で2018年と表記する。また調査のタイミングにより一部調査結果においてイレギュラー的な動きが生じているが、報告書では「調査時期の違いによる影響や単年の一時的な傾向である可能性も否定できず、継続的な傾向の把握については今後の調査などの結果も踏まえる必要がある」と但し書きをしている。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロで無いプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。